デザイン思考はユーザー重視で考える思考法のひとつです。
イノベーションや新規事業を考える際に、成果を発揮します。
有名なアップル社や任天堂もデザイン思考により成功を収めています。
この記事では、新規事業を始める際、デザイン思考を取り入れる3つのメリットやプロセスについて解説していきます。
目次
デザイン思考とは何か?
思考法であり、常にユーザーを観察し、ユーザー視点で考え抜くマインドセットの側面もあります。
デザイン思考を導入した企業の7割が利益率が増加し、全体的に市場創造の効果を実感しています。
【デザイン思考の特徴】
- ユーザーを観察し、ニーズや問題をユーザー視点で考え抜く
- チームで意見交換して多くのアイデアを出す
- 素早く試作して改善とフィードバックを得る
ではデザイン思考のプロセスを五段階で確認していきましょう。
【デザイン思考の5つのプロセス】
デザイン思考は5つのプロセスを行うことで、ニーズを探り、問題を解決し、さらに改善していくサイクルを繰り返します。
1.観察・共感
新規事業のターゲット層を徹底的に観察することが重要です。インタビューやアンケートでユーザーの問題や考え、潜在的なものまでを自分の事のように共感し、深く追求していきます。
2.問題定義
観察で明らかにした課題を定義つけます。例えば「料理本がほしい」なら、その裏には「料理上手になりたい、恋人に食べさせたい」などの隠れた想いがあるはずです。
そういった潜在的なものを見つけることが大切です。
3.アイデア創造
定義した問題の解決法を考えます。どんな些細なものでも良いので、とにかく多くの人で多くのアイデアを出していきます。
4.素早く試作
アイデアが固まったり、とにかくコストをかけずに手早く試作品を作ります。
絵コンテや模型など、視覚的にイメージしやすいものを創ることで、新たな問題の発見や改善に繋がります。
5.テスト
試作品をユーザーに試してもらい、フィードバックを得る段階です。反応が今ひとつなら、またプロセスの1段階目に戻り、順にサイクルを回していきます。
デザイン思考が新規事業に与えるメリットとは
新規ビジネスを考えるとき、副産物的な意味合いも含めて、以下のメリットがあげられます。
1.成功する確率の高いアイデアの創造
ユーザーのニーズや潜在的な問題点を考え抜くことになるので、質の高いアイデアを期待でき、的外れや需要のない商品を開発するリスクが下がります。
2.チームの一体化
チームで意見交換し、アイデアを出す過程でメンバーの事業に対する認識が一元化し、信頼感が生まれます。
一体感のあるチームワークにより、新たな価値を生み出すイノベーションも期待できます。
3.思考力が身につく
ユーザーに選ばれるもの、求められるものを重視して考えることになりますので、人間としての心や思考力が磨かれます。
そのうえで、潜在的なニーズや将来を見据える幅広い視野を鍛えられるでしょう。
関連:「新規事業の成功に必要なことって?6つのポイントについて紹介」
デザイン思考による成功事例
デザイン思考の利点が見えてきたのではないでしょうか。こちらでは実例をご紹介します。
アップル社
2001年に発売されたiPodは世界で1億台以上の大ヒットとなりました。 その背景では、開発チームによる「ユーザーが音楽を聴くことに対する調査」を徹底的に行ったことから始まります。
調査過程の中で「データを移動する手間」や「外出先でも音楽が聞きたい」などのニーズを洗い出し、繰り返し試作とテストを行ったことこそがデザイン思考です。
任天堂
2006年に発売されたWiiも世界で1億台以上の販売台数です。
開発の最初に行ったことは、社員の家庭における「ゲームと親子関係」に関する調査でした。
結果、ゲーム機による親子関係の悪化が浮き彫りとなり、「では家族で楽しむにはどうすればいいのか…」そんな思考過程からWiiは生まれました。
アキレス
子供向けシューズの「瞬足」は2003年に発売され、2019年までに7000万足を販売し、その後も一定の売上をあげています。
開発の初期は社員によって運動会の子供の走り方や靴の履き方を観察することで、運動場のコーナーで転倒する子供が多いことに気が付きました。
解決策として左右非対称のソールを開発したことで大ヒット。 まさにユーザーの潜在的なニーズを発見したことによる成果でした。
まとめ
成功事例からも解るように、徹底的に対象ターゲットの観察・調査をすることで隠れたニーズを見つけ、試行錯誤した結果が大ヒットの共通点といえます。
新しく事業を成功に導くなら、デザイン思考を最後までやりとげることが重要といえます。
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