マーケティングの新しい思考法として注目を集めている「デザイン思考。」
新しい事業を立ち上げる際やマーケットのニーズを踏まえた商品の改良をしていくのに、ぴったりなマーケティング思考だと言われています。
この記事では、デザイン思考の特徴と相性の良い3つのフレームワークについて解説します。
デザイン思考について一から知りたいと考えている方は参考にしてみてください。
目次
デザイン思考とは何か?
「デザイン思考」とは、従来クリエイティブな仕事をしている職場で、新しいプロジェクトを考えるのに採用されていた思考法をもとにしたビジネスの考え方です。
デザイン思考の基本的な考え方は、以下の3つです。
- ユーザー最重視のサービスや商品開発(市場ニーズ優先)
- 解決すべきテーマと理由を明確化(その都度ブラッシュアップ)
- 今までのマーケティング知識や常識にとらわれない
デザイン思考の思考法では、市場のユーザーのニーズを多面的に深堀りしていくことが基本。ユーザーのニーズ分析をもとに、ユーザーが本当に欲しているものは何かを考えていきます。
また、クリエイティブな仕事に付き物であるエラーを許容しながら、達成すべき目標に向けて計画に磨きをかけていく点が特徴的です。
失敗を重ねる中で、本当にユーザーに必要なビジネスかどうかを精査します。
そして、あくまでも”新しい”プロジェクトとして、会社やマーケティングの常識に捉われない柔軟な思考をしていくことも求められます。
このように、デザイン思考を活用すれば、ビジネスのしがらみに捉われない、ユーザー目線のニーズ分析が可能です。
デザイン思考が話題になっている理由
従来型のマーケティング思考においては、市場のニーズを調べて、仮説検証をしていくことが一般的でした。
しかし、近年のマーケットの多様性や変化の速い状況においては、その都度、仮説検証をしていくスタイルでは、マーケットのスピード感には追いつけなくなりつつあります。
しかし、デザイン思考をマーケット戦略に利用すれば、ユーザーのニーズありきで仮説検証をしていくので、スピード感やニーズに対するアプローチの適切さで、非常に有益だと話題になっているのです。
デザイン思考には5段階ある
デザイン思考には、5つの段階があります。
- 共感
- 定義
- 概念化
- 試作
- テスト
「共感」は、ユーザー目線でニーズを考えることです。アンケートなどのマーケティング調査を通して得られたニーズについての情報を、ユーザー目線で「なぜそれが欲しいのか?」「どうしてニーズがあるのか?」といった視点で考えていきます。
「定義」は、「共感」で分析したニーズに対する定義を指します。例えば、モバイルモニターに対するニーズを発見したら、「カフェで快適にデスクワークをしたい」、「キャンプで映画を楽しみたい」といったユーザーのニーズを定義することが可能です。
「概念化」は、「定義」したユーザーのニーズを満たすためのアイディアの発掘プロセスです。
上記のモバイルモニターの例を使うと、「カフェで快適に作業ができる小さくて、軽いモバイルモニター」や「暗いキャンプ場でも、明るく見やすい、汚れにくい画面のモバイルモニター」の開発アイディアなどが考えられます。
最終的には、「試作」と「テスト」の段階で、消費者のニーズと「概念化」した目的を達成する商品のプロトタイプを作ります。そして、何度も何度も試作と失敗を重ねながら、最終的な製品化を目指していくのです。
このように、デザイン思考は、消費者のニーズを重視し、それを深堀りしたニーズ発掘型のマーケティング思考法だと言えます。
デザイン思考と相性が良い3つのフレームワーク
デザイン思考と相性が良いフレームワークは、以下の3つです。
- 共感マップ
- SWOT分析/事業環境マップ
- ビジネスモデルキャンパス
ここでは、これらのフレームワークについて見ていきましょう。
「共感マップ」の考え方
「共感マップ」は、ユーザーのニーズを理解するために、以下の6つを考えます。
- 自分の目で見ているもの
- 聞いているもの
- 考えや感じているもの
- 個人の発言や行動様式
- 痛みやストレスなどの感覚
- 自分が望んでいること
これら6つの共感ポイントと照らし合わせながら、ユーザーの行動を整理していきます。
「共感マップ」のフレームワークは、ユーザーにとって快適なユーザ体験(UX)やより良いサービス設計や提供に繋がるのです。
また、ハードだけでなく、UXが重要な意味を持つサービスやアプリなどのソフト開発への適応も盛んに行われています。
「SWOT分析」/「事業環境マップ」
「SWOT分析」と「事業環境マップ」は、事業のビジネスモデルの妥当性を探っていくフレームワーク。
「SWOT分析」には、以下の4つの基準があります。
- 優位点
- 課題
- 機会
- 外的脅威
「優位点」と「課題」の基準で、自社の強みと弱みを明らかにして、内部から事業の変革を図ります。
その一方で、「機会」と「外敵脅威」の視点から、外部的なチャンスや問題点を明らかにすることで、内部と外部から事業計画の強化を図れるのが特徴です。
「事業環境マップ」には、以下の4つの基準があります。
- 市場
- 業界
- トレンド
- マクロ分析
マーケティングやビジネスモデルをこれらの要素に分解して分析していくことで、消費者のニーズをさらに深堀りできます。
変化の激しいマーケティング環境においては、「事業環境マップ」のフレームワークを活用することで、市場の変化に合わせた柔軟な事業計画の変化が可能です。
「ビジネスモデルキャンバス」
「ビジネスモデルキャンバス」は、要素別にビジネスモデルを考えていくフレームワークです。
「ビジネスモデルキャンバス」には、以下の9つの要素が存在します。
- 顧客セグメント
- 顧客との関係
- チャネル
- 提供価値
- キーアクティビリティ
- キーリソース
- キーパートナー
- コスト構造
- 収益の流れ
「ビジネスモデルキャンパス」のフレームワークを活用することで、新しく始める事業を要素別に分解し、「ビジネスとして成立するのか」を構造的に考えていくことが可能です。
また、従来のビジネスモデルに構造的な問題がないかの見直しにも利用できますね。
このように、ビジネスモデルの構造を視覚的に理解するなら、「ビジネスモデルキャンバス」のフレームワークを活用していくのがおすすめです。
関連:「デザイン思考の欠点とは?戦略思考との違いや活用法を解説!」
まとめ:デザイン思考とフレームワークを組み合わせて、事業のアイディアをブラッシュアップしよう!
デザイン思考は、ユーザー目線でニーズを考えていくマーケティング思考です。
ユーザー目線の共感から定義、概念化を経て、試作やテストを繰り返してブラッシュアップしていくので、ユーザーのニーズが深堀りされる思考法だと注目を集めています。
デザイン思考には、相性が良い3つのフレームワークがあり、それぞれをうまく活用することで、ビジネスモデルの見直しやニーズの洗い出し、自身の事業構造の確認することも可能です。
事業のアイディアをユーザー目線で考えていくなら、デザイン思考やこれらのフレームワークを活用して、事業計画をブラッシュアップしてみてはいかがでしょうか?
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