ROIを最大化する製造業DXのUI設計|失敗しない投資計画とは

  • 2025.7.27
  • 製造業 DX
  • デザイン

「よーし、うちもDXだ!」と意気込んで、多額の投資をして最新の生産管理システムを導入した。…にもかかわらず、現場からは「前のほうがマシだった」なんて声が聞こえてくる。気づけば、ピカピカのはずのシステムは現場の片隅でホコリをかぶっている…。

悲しいですが、これ、私がコンサルタントとして多くの製造業の現場で見てきた、決して珍しくない光景なんです。経済産業省が「2025年の崖」と警鐘を鳴らしてから数年、多くの企業がDXの必要性を感じてはいるものの、その成功率は決して高くないのが現実です(IPA「DX白書2023」より)。

なぜ、こんなことが起きてしまうのでしょうか?

結論から言うと、その原因の多くは「現場で使われないUI(ユーザーインターフェース)」にあります。どんなに高機能なシステムも、それを使う人間、つまり現場の作業員が直感的に、ストレスなく使えなければ、ただの「高価な鉄の箱」になってしまう。今回の記事では、この「使われない」という最大のリスクを回避し、製造業DXの投資対効果(ROI)を最大化するUI設計について、徹底的に、そして少しだけ人間臭く語っていこうと思います。

机上の空論はもう古い!製造業のUI設計が「特別」である3つの理由

🤔

「UI/UXが大事なのはわかったよ。でも、それって要は見た目をキレイにすることでしょう?」

もしそう思っていたら、ちょっと待ってください。特に製造業の現場では、一般的なWebサービスやアプリのUI設計論は、そのままでは通用しません。なぜなら、製造現場には無視できない「特殊性」があるからです。

1. ユーザーが「超」多様である

工場で働くのは、PC操作に慣れた20代の若者だけではありません。長年、紙とペンで仕事をしてきたベテランの職人さん、日本語の読み書きが得意ではないかもしれない外国人労働者、入社したばかりの新人さん。ITリテラシーも、経験も、言語もバラバラな人々が、同じシステムを触る。これが製造現場です。誰か一人でも「わからない」となれば、生産ライン全体に影響が出かねません。

2. 環境が「過酷」である

油や粉塵が舞う中で、手袋をしたまま操作しなければならない。薄暗い場所で、画面の細かい文字を読まなければならない。時には、緊急停止ボタンを即座に押す必要がある。オフィスのような快適な環境とはワケが違います。こうした物理的な制約を無視したUIは、現場では全く役に立ちません。

3. 一つのミスが「命取り」である

ECサイトで商品を買い間違えるのとは、次元が違います。製造現場での一つの操作ミスは、高価な機械の故障、製品の大量リコール、そして最悪の場合、人命に関わる事故に直結します。だからこそ、「間違えようがない」レベルのわかりやすさ、つまりヒューマンエラーを徹底的に防ぐUI設計が求められるのです。これこそ、我々が最も重視すべきポイントと言えるでしょう。

これは製造業に限りません。一般的な業務システムが抱える課題と、その改善アプローチについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

UI/UX改善で実現するコンバージョン率向上策|7つの効果測定指標と成功事例

UI改善はコストにあらず!投資対効果(ROI)を経営層に説明する方法

「現場の使いやすさは大事だけど、それでウチはいくら儲かるの?」

経営層やDX推進責任者の方なら、当然こう考えますよね。UI改善は「コスト」ではなく、明確なリターンを生む「投資」です。その事実を、客観的なデータとロジックで説明することが、プロジェクトを前に進める上で不可欠です。

まず、この衝撃的なデータを見てください。デザインを経営の中心に置く企業は、そうでない企業に比べて、株価のパフォーマンスが10年間で211%も上回ったという調査結果があります(DMI調べ)。UI/UXへの投資が、企業価値そのものを引き上げるのです。

では、具体的にどのようなリターンが見込めるのでしょうか?代表的なものを表にまとめてみました。

投資対効果(ROI)の源泉具体的な効果とインパクト根拠となるデータ例
生産性の向上タスク完了までの時間が短縮され、人件費を削減。同じ時間でより多くの業務が可能に。ユーザビリティ改善でタスク生産性が平均42%向上 (Nielsen Norman Group)
エラーの削減操作ミスによる製品の廃棄ロスや手戻り工数を削減。品質向上とコスト削減に直結。UI改善でユーザーのエラー率が75%減少した事例も (Jeff Johnson)
トレーニングコストの削減直感的なUIは、新人教育やマニュアル作成のコストを大幅に削減。早期の戦力化を実現。ある事例ではトレーニング時間が80%削減
開発手戻りの削減開発初期にプロトタイプで現場の合意を得ることで、リリース後の「使えない」を防ぎ、修正コストを劇的に削減。リリース後の修正コストは、初期の100倍にもなる (1:10:100の法則)

「UI改善に1ドル投資すれば、100ドルのリターンがある」とまで言われます。これは大げさではなく、上記のような効果を積み重ねれば、十分に達成可能な数字なのです。あなたの会社でも、簡単な試算をしてみてはいかがでしょうか?きっと、その投資価値の大きさに驚くはずです。

あなたが見ているのは氷山の一角。成功の鍵は「サービスデザイン」の視点

ここまでUIの重要性を熱く語ってきましたが、ここで少し視点を変えてみましょう。実は、優れたUIというのは、巨大な氷山の一角にすぎないのです。

どういうことか?

ユーザーが画面を操作する、その前後には必ず一連の業務フローが存在します。例えば、作業員がタブレットで数値を入力する前には、「紙の指示書を確認する」という行動があり、入力後には「そのデータが別の部署のPCに送られる」という流れがある。もし、この全体の流れ(=業務プロセス)が非効率だったり、部署間の連携がうまくいっていなかったりしたら、いくらUIだけを改善しても、本当の生産性向上には繋がりません。

そこで重要になるのが、「サービスデザイン」という考え方です。

これは、UIという「モノ(接点)」だけでなく、それを取り巻く業務フロー、組織、コミュニケーションといった「コト(体験全体)」をデザインするアプローチです。私たちは、単に画面を作るだけではありません。実際に現場に入り込み、作業員の方々と一緒に汗を流しながら、「なぜこの作業が必要なのか?」「もっと楽な方法はないか?」を考え、業務プロセスそのものを見直すことから始めます。

この視点を持つことで、こんな課題解決が可能になります:

  • ✔ そもそも不要な入力項目をなくす
  • ✔ 部署間のデータ連携を自動化する
  • ✔ 現場と管理部門のコミュニケーションを円滑にする

といった、UI設計よりもっと上流の、本質的な課題解決が可能になります。製造業のDXとは、単なるデジタルツールの導入ではなく、業務変革そのもの。だからこそ、このサービスデザインの視点が、プロジェクトの成否を分けると言っても過言ではないのです。

現場が主役になるUI設計の進め方【実録3ステップ】

「じゃあ、具体的にどうやって進めればいいんだ?」という声が聞こえてきそうですね。ここでは、私たちが実践している、製造現場で失敗しないためのUI設計プロセスを、3つのステップに分けてご紹介します。ポイントは、終始「現場が主役」であることです。

ステップ1:探偵のように観察し、共感する「ユーザー調査」

私たちはまず、白衣とヘルメットを身につけて現場に入ります。そして、作業員の方々の隣に立って、彼らが一日をどう過ごすのかをじっと観察します。どんな独り言を言っているか、どんなメモを取っているか、どこで舌打ちしているか(笑)。多忙な現場では、会議室で「ヒアリング」しても本音は出てきません。現場の空気を感じ、彼らの「不便」「面倒」に心から共感することが、すべての始まりです。

ステップ2:手書きでもOK!高速で形にする「プロトタイピング」

現場の課題が見えてきたら、すぐにアイデアを形にします。といっても、いきなり完璧なデザインを作る必要はありません。最初は紙とペンで描いたラフスケッチでも十分。それを現場に持っていき、「こんな感じだったら、楽になりそうですかね?」と見せてみる。この「高速で作って、すぐに見せる」というサイクルが、致命的な手戻りを防ぐ上でめちゃくちゃ重要なんです。現場のフィードバックをもらいながら、少しずつブラッシュアップしていきます。

ステップ3:一緒に育てる「フィードバックループ」

プロトタイプがある程度固まったら、実際に触れるモックアップを作成し、複数の作業員の方に使ってもらいます。ここで大事なのは、「評価する」というスタンスではなく、「一緒に育てる」という意識を共有すること。「なんか違うなと思ったら、遠慮なく言ってくださいね!」と伝え、心理的安全性を確保することで、貴重な本音を引き出します。このフィードバックのループを何度も何度も回すことで、UIは現場にとって本当に「使える」ツールへと進化していくのです。

まとめ:失敗しないパートナー選びと、その先の未来

さて、製造業DXにおけるUI設計の重要性から、その投資対効果、そして具体的な進め方まで、かなり詳しくお話ししてきました。結局のところ、DXプロジェクトを成功に導くUI設計とは、「現場への深い理解と共感」に基づき、「事業の利益に貢献する」という明確な目的意識を持って、「サービス全体をデザインする」視点で進めることに尽きます。

最後に、これからDXに取り組む、あるいは今のプロジェクトに課題を感じている皆さんが、失敗しないパートナーを選ぶための3つのチェックポイントを提案させてください。

  1. 「成功事例」だけでなく「失敗談」も語れるか?
    → キラキラした成功事例だけを並べる相手より、過去の失敗から得た教訓を率直に語れるパートナーのほうが信頼できます。
  2. あなたの会社の「現場」に、本気で興味を持っているか?
    → すぐにツールや技術の話をするのではなく、あなたの会社の業務や現場の課題について、根掘り葉掘り質問してくるか。その姿勢が重要です。
  3. 「UIデザイン」の、さらにその先の「業務変革」まで見据えているか?
    → 画面をデザインして終わり、ではなく、そのUIがもたらす業務全体の変化や、組織にもたらすインパクトまでを一緒に考えてくれるかを見極めましょう。

AIによる予知保全や、デジタルツインによる仮想工場が当たり前になる未来は、もうすぐそこです。そうした最先端の技術を、本当に現場で価値あるものにするためにも、人間とテクノロジーの架け橋となるUI設計の役割は、ますます重要になっていくはずです。この記事が、皆さんのDXプロジェクトを成功に導く、ための一助となれば、これほどうれしいことはありません。

貴社の製造現場に、最適なUIデザインを

本記事でご紹介したように、製造業のDX成功には、現場に寄り添ったUI設計が不可欠です。弊社picks designは、社会インフラを支える大規模システムから、最先端のIoT監視システムまで、難易度の高いUI/UXデザインプロジェクトを成功に導いてきた実績があります。

「どこから手をつければいいか分からない」「既存システムのUIに課題を感じている」
まずは、私たちの実績をご覧いただき、貴社の課題と照らし合わせてみてください。その上で、ぜひお気軽にご相談いただければ、貴社に最適なご提案をさせていただきます。

→ 弊社のBtoB/業務システム関連の実績を見る → UI/UXデザインサービスについて詳しく見る

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  • 2025.7.27
  • 製造業 DX
  • デザイン

「よーし、うちもDXだ!」と意気込んで、多額の投資をして最新の生産管理システムを導入した。…にもかかわらず、現場からは「前のほうがマシだった」なんて声が聞こえてくる。気づけば、ピカピカのはずのシステムは現場の片隅でホコリをかぶっている…。

悲しいですが、これ、私がコンサルタントとして多くの製造業の現場で見てきた、決して珍しくない光景なんです。経済産業省が「2025年の崖」と警鐘を鳴らしてから数年、多くの企業がDXの必要性を感じてはいるものの、その成功率は決して高くないのが現実です(IPA「DX白書2023」より)。

なぜ、こんなことが起きてしまうのでしょうか?

結論から言うと、その原因の多くは「現場で使われないUI(ユーザーインターフェース)」にあります。どんなに高機能なシステムも、それを使う人間、つまり現場の作業員が直感的に、ストレスなく使えなければ、ただの「高価な鉄の箱」になってしまう。今回の記事では、この「使われない」という最大のリスクを回避し、製造業DXの投資対効果(ROI)を最大化するUI設計について、徹底的に、そして少しだけ人間臭く語っていこうと思います。

机上の空論はもう古い!製造業のUI設計が「特別」である3つの理由

🤔

「UI/UXが大事なのはわかったよ。でも、それって要は見た目をキレイにすることでしょう?」

もしそう思っていたら、ちょっと待ってください。特に製造業の現場では、一般的なWebサービスやアプリのUI設計論は、そのままでは通用しません。なぜなら、製造現場には無視できない「特殊性」があるからです。

1. ユーザーが「超」多様である

工場で働くのは、PC操作に慣れた20代の若者だけではありません。長年、紙とペンで仕事をしてきたベテランの職人さん、日本語の読み書きが得意ではないかもしれない外国人労働者、入社したばかりの新人さん。ITリテラシーも、経験も、言語もバラバラな人々が、同じシステムを触る。これが製造現場です。誰か一人でも「わからない」となれば、生産ライン全体に影響が出かねません。

2. 環境が「過酷」である

油や粉塵が舞う中で、手袋をしたまま操作しなければならない。薄暗い場所で、画面の細かい文字を読まなければならない。時には、緊急停止ボタンを即座に押す必要がある。オフィスのような快適な環境とはワケが違います。こうした物理的な制約を無視したUIは、現場では全く役に立ちません。

3. 一つのミスが「命取り」である

ECサイトで商品を買い間違えるのとは、次元が違います。製造現場での一つの操作ミスは、高価な機械の故障、製品の大量リコール、そして最悪の場合、人命に関わる事故に直結します。だからこそ、「間違えようがない」レベルのわかりやすさ、つまりヒューマンエラーを徹底的に防ぐUI設計が求められるのです。これこそ、我々が最も重視すべきポイントと言えるでしょう。

これは製造業に限りません。一般的な業務システムが抱える課題と、その改善アプローチについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

UI/UX改善で実現するコンバージョン率向上策|7つの効果測定指標と成功事例

UI改善はコストにあらず!投資対効果(ROI)を経営層に説明する方法

「現場の使いやすさは大事だけど、それでウチはいくら儲かるの?」

経営層やDX推進責任者の方なら、当然こう考えますよね。UI改善は「コスト」ではなく、明確なリターンを生む「投資」です。その事実を、客観的なデータとロジックで説明することが、プロジェクトを前に進める上で不可欠です。

まず、この衝撃的なデータを見てください。デザインを経営の中心に置く企業は、そうでない企業に比べて、株価のパフォーマンスが10年間で211%も上回ったという調査結果があります(DMI調べ)。UI/UXへの投資が、企業価値そのものを引き上げるのです。

では、具体的にどのようなリターンが見込めるのでしょうか?代表的なものを表にまとめてみました。

投資対効果(ROI)の源泉具体的な効果とインパクト根拠となるデータ例
生産性の向上タスク完了までの時間が短縮され、人件費を削減。同じ時間でより多くの業務が可能に。ユーザビリティ改善でタスク生産性が平均42%向上 (Nielsen Norman Group)
エラーの削減操作ミスによる製品の廃棄ロスや手戻り工数を削減。品質向上とコスト削減に直結。UI改善でユーザーのエラー率が75%減少した事例も (Jeff Johnson)
トレーニングコストの削減直感的なUIは、新人教育やマニュアル作成のコストを大幅に削減。早期の戦力化を実現。ある事例ではトレーニング時間が80%削減
開発手戻りの削減開発初期にプロトタイプで現場の合意を得ることで、リリース後の「使えない」を防ぎ、修正コストを劇的に削減。リリース後の修正コストは、初期の100倍にもなる (1:10:100の法則)

「UI改善に1ドル投資すれば、100ドルのリターンがある」とまで言われます。これは大げさではなく、上記のような効果を積み重ねれば、十分に達成可能な数字なのです。あなたの会社でも、簡単な試算をしてみてはいかがでしょうか?きっと、その投資価値の大きさに驚くはずです。

あなたが見ているのは氷山の一角。成功の鍵は「サービスデザイン」の視点

ここまでUIの重要性を熱く語ってきましたが、ここで少し視点を変えてみましょう。実は、優れたUIというのは、巨大な氷山の一角にすぎないのです。

どういうことか?

ユーザーが画面を操作する、その前後には必ず一連の業務フローが存在します。例えば、作業員がタブレットで数値を入力する前には、「紙の指示書を確認する」という行動があり、入力後には「そのデータが別の部署のPCに送られる」という流れがある。もし、この全体の流れ(=業務プロセス)が非効率だったり、部署間の連携がうまくいっていなかったりしたら、いくらUIだけを改善しても、本当の生産性向上には繋がりません。

そこで重要になるのが、「サービスデザイン」という考え方です。

これは、UIという「モノ(接点)」だけでなく、それを取り巻く業務フロー、組織、コミュニケーションといった「コト(体験全体)」をデザインするアプローチです。私たちは、単に画面を作るだけではありません。実際に現場に入り込み、作業員の方々と一緒に汗を流しながら、「なぜこの作業が必要なのか?」「もっと楽な方法はないか?」を考え、業務プロセスそのものを見直すことから始めます。

この視点を持つことで、こんな課題解決が可能になります:

  • ✔ そもそも不要な入力項目をなくす
  • ✔ 部署間のデータ連携を自動化する
  • ✔ 現場と管理部門のコミュニケーションを円滑にする

といった、UI設計よりもっと上流の、本質的な課題解決が可能になります。製造業のDXとは、単なるデジタルツールの導入ではなく、業務変革そのもの。だからこそ、このサービスデザインの視点が、プロジェクトの成否を分けると言っても過言ではないのです。

現場が主役になるUI設計の進め方【実録3ステップ】

「じゃあ、具体的にどうやって進めればいいんだ?」という声が聞こえてきそうですね。ここでは、私たちが実践している、製造現場で失敗しないためのUI設計プロセスを、3つのステップに分けてご紹介します。ポイントは、終始「現場が主役」であることです。

ステップ1:探偵のように観察し、共感する「ユーザー調査」

私たちはまず、白衣とヘルメットを身につけて現場に入ります。そして、作業員の方々の隣に立って、彼らが一日をどう過ごすのかをじっと観察します。どんな独り言を言っているか、どんなメモを取っているか、どこで舌打ちしているか(笑)。多忙な現場では、会議室で「ヒアリング」しても本音は出てきません。現場の空気を感じ、彼らの「不便」「面倒」に心から共感することが、すべての始まりです。

ステップ2:手書きでもOK!高速で形にする「プロトタイピング」

現場の課題が見えてきたら、すぐにアイデアを形にします。といっても、いきなり完璧なデザインを作る必要はありません。最初は紙とペンで描いたラフスケッチでも十分。それを現場に持っていき、「こんな感じだったら、楽になりそうですかね?」と見せてみる。この「高速で作って、すぐに見せる」というサイクルが、致命的な手戻りを防ぐ上でめちゃくちゃ重要なんです。現場のフィードバックをもらいながら、少しずつブラッシュアップしていきます。

ステップ3:一緒に育てる「フィードバックループ」

プロトタイプがある程度固まったら、実際に触れるモックアップを作成し、複数の作業員の方に使ってもらいます。ここで大事なのは、「評価する」というスタンスではなく、「一緒に育てる」という意識を共有すること。「なんか違うなと思ったら、遠慮なく言ってくださいね!」と伝え、心理的安全性を確保することで、貴重な本音を引き出します。このフィードバックのループを何度も何度も回すことで、UIは現場にとって本当に「使える」ツールへと進化していくのです。

まとめ:失敗しないパートナー選びと、その先の未来

さて、製造業DXにおけるUI設計の重要性から、その投資対効果、そして具体的な進め方まで、かなり詳しくお話ししてきました。結局のところ、DXプロジェクトを成功に導くUI設計とは、「現場への深い理解と共感」に基づき、「事業の利益に貢献する」という明確な目的意識を持って、「サービス全体をデザインする」視点で進めることに尽きます。

最後に、これからDXに取り組む、あるいは今のプロジェクトに課題を感じている皆さんが、失敗しないパートナーを選ぶための3つのチェックポイントを提案させてください。

  1. 「成功事例」だけでなく「失敗談」も語れるか?
    → キラキラした成功事例だけを並べる相手より、過去の失敗から得た教訓を率直に語れるパートナーのほうが信頼できます。
  2. あなたの会社の「現場」に、本気で興味を持っているか?
    → すぐにツールや技術の話をするのではなく、あなたの会社の業務や現場の課題について、根掘り葉掘り質問してくるか。その姿勢が重要です。
  3. 「UIデザイン」の、さらにその先の「業務変革」まで見据えているか?
    → 画面をデザインして終わり、ではなく、そのUIがもたらす業務全体の変化や、組織にもたらすインパクトまでを一緒に考えてくれるかを見極めましょう。

AIによる予知保全や、デジタルツインによる仮想工場が当たり前になる未来は、もうすぐそこです。そうした最先端の技術を、本当に現場で価値あるものにするためにも、人間とテクノロジーの架け橋となるUI設計の役割は、ますます重要になっていくはずです。この記事が、皆さんのDXプロジェクトを成功に導く、ための一助となれば、これほどうれしいことはありません。

貴社の製造現場に、最適なUIデザインを

本記事でご紹介したように、製造業のDX成功には、現場に寄り添ったUI設計が不可欠です。弊社picks designは、社会インフラを支える大規模システムから、最先端のIoT監視システムまで、難易度の高いUI/UXデザインプロジェクトを成功に導いてきた実績があります。

「どこから手をつければいいか分からない」「既存システムのUIに課題を感じている」
まずは、私たちの実績をご覧いただき、貴社の課題と照らし合わせてみてください。その上で、ぜひお気軽にご相談いただければ、貴社に最適なご提案をさせていただきます。

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