デザイン思考という考え方をご存知でしょうか。
デザイン思考を導入している企業の約70%は利益率が増加しており、Appleや任天堂などの有名企業で成果を出していることでも注目されています。
この記事では、デザイン思考を中心に解説していきます。
目次
デザイン思考とは?
市場ユーザーを中心に考え、ニーズや問題点、解決策などの試行錯誤を繰り返していく思考方法やマインドセットのことです。
以下、デザイン思考ならではの特徴と5つの段階をご紹介します。
【デザイン思考の特徴】
下記がデザイン思考の特徴です。要点を抑えておきましょう。
- 最も重視するのは市場ユーザーを知ること
- 問題を定義し、解決方法を明確にする
- 固定観念に囚われない発想によるアイデアと組み合わせの試行錯誤を繰り返す
- 早期に試作品を作り、ユーザーのフィードバックを得て5段階のサイクルを廻す
- 複数人のチームで取り組む
では、特徴を踏まえて、5つに分けた段階を解説していきます。
【デザイン思考の5つの段階】
デザイン思考は5段階のサイクルを繰り返して行います。 5段階目にいったとしても、場合によってはまた1段階目に戻ります。
1.ユーザーの観察(共感)
例えばインタビューやアンケートによりユーザーがどんな考えをもち、どのような手段で問題解決したいのか、ユーザー視点で潜在的な問題を見つけ、理解と共感を深めていきます。
実際は行動理解や共感に「カスタマージャーニーマップ」、言動や感情に「共感マップ」という方法を使用して把握していくことになります。
2.問題や潜在的ニーズを明確にする(問題定義)
ユーザーの観察を元に、明らかにされていないユーザーのニーズを定義付ける段階です。 ユーザーの想いや背景、行動の理由を考え、潜在的な需要を探ります。
3.沢山のアイデアと組み合わせでニーズを満たす(創造)
常識にとらわれず、とにかくアイデアを多く出していきます。 突飛でも前例がなくても、ささいなものでも構いません。
多くの人で思いつく限りのアイデアを出し、開放的な環境で前向きにディスカッションを行うことが大切です。 ブレインストーミングやブレインライティングといった発想法を活用して行います。
4.アイデアが固まったら素早くプロトタイプを制作(試作)
可能な限り時間やコストをかけずに、まずは試作品を形にします。 絵コンテやミニチュア、類似品など、具体的なイメージができるものにしましょう。
形にすることで、新たな問題や気付きを得ることができるはずです。
5.試作品で実際のニーズを満たせるのか試す(テスト)
試作品をユーザーに提供し、ユーザーのニーズにマッチしているか、意見や感想を取り入れつつ、試作と改善を繰り返し行います。必要に応じて1段階目に戻り、順にサイクルをまわします。
スタートアップとは?
経済産業省の調査報告書によると、イノベーションの担い手であると記されています。
定義は様々ですが、スタートアップとは会社の規模や設立年月を問わず、「革新的な新しい商品やサービス」による急成長を目指す事業を示しています。
なぜデザイン思考がスタートアップに必要なのか?
デザイン思考を導入している企業の7割が利益率が増加し、10割が市場創造に対して効果を実感しており、データからも0から1を生み出す市場創造に有効であると証明されました。
(参考引用:2021年度日本認知科学会によるデザイン思考の論文)
つまり、デザイン思考の期待効果は短期的な売上増加や利益率の向上ではなく、市場創造とすることが重要になります。
従来の思考法とデザイン思考を正しく使いわけている企業が成果をあげているのです。
このことから、イノベーションと表裏一体のスタートアップには効果的な思考法であることも証明されました。
さらに、世界的に有名なアップル社のiPod、任天堂のWiiなどもデザイン思考の果てに生まれ、ともに1億台以上の販売台数を誇っています。
デザイン思考でスタートアップを成功させるための秘訣
デザイン思考だけ出来れば成功するとは限りません。企業全体の環境や理解も必要です。
市場と時代の流れに敏感であること、リスクに対する理解があり投資をする風潮であること、社内外問わずコミュニケーションが盛んであることなども重要な成功のための要素となります。
特に顧客とのコミュニケーションからは新たなイノベーションが生まれるヒントを得たり、潜在的なニーズを察知することが期待できます。
積極的に行うことが成功の近道です。
関連:「スタートアップに必要なものとは?成功させるための3つの条件」
まとめ
デザイン思考はチームで取り組むことが前提であり、不慣れなうちは複雑なプロセスに挫折をするかもしれません。
しかし、諦めずやり遂げることで成果を出している実例はたくさんあります。最後まで諦めずに取り組む忍耐力が大切です。
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