今やスタートアップに限らずあらゆるビジネスシーンで必要とされているデザイン思考。
それはシステム開発の世界においても例外ではありません。
今回はスタートアップにとってもシステム開発にとっても必要なデザイン思考についてご紹介します。
デザイン思考とは?
デザイン思考とは、ユーザーの視点に立ってユーザーが今抱えている課題に対してデザインを行う際に必要な考え方と手法で解決策を見出すことです。
名称に入っているデザインという単語が示すとおり、課題を解決する際にはデザインを行うときに必要な考え方や手法を使います。
デザイン思考は複数のプロセスから成り立っており、そのプロセスというのが観察・共感、定義、概念化、試作、テストの5つです。
まず最初のプロセスである観察・共感でターゲット層となるユーザーを観察し、ユーザーが抱える課題やニーズを徹底的に洗い出します。
そして次の定義では観察・共感のプロセスで得られた情報をもとに真の課題を絞り込み、ユーザーの真のニーズは何か仮説を立て定義づけるのがこのプロセスの目的です。
次のプロセスである概念化では、仮説によって定義したユーザーの本質的な課題を解決するために可能な限り多くのアイデアを出します。
そして出された多くのアイデアの中から、特にユーザーに好まれそうなものを形にするのが試作というプロセスです。
試作で作成したものでユーザーテストを行ない、さらなる課題を洗い出します。
そして改善や再考を繰り返し、ユーザーのニーズに応えるものを完成させることがこの思考方法のプロセスです。
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スタートアップにおけるデザイン思考の重要性とは?
スタートアップにおいてもデザイン思考の重要性は増しています。
それはスタートアップ企業の代表ともいえるAppleやGoogleでもデザイン思考が導入されていることからも明らかです。
特にAppleの代表作でもあるiPodの開発におけるデザイン思考の適用は、有名な話。
iPodは社内の開発者と社外のデザイン専門家など総勢35名が共創し、わずか11ヵ月という短期間で開発されたといわれています。
そのときのプロセスがまさにデザイン思考のプロセスそのものです。
徹底的な観察によりユーザーの潜在的なニーズを洗い出し、試作と評価・フィードバックを何度も繰り返してiPodは誕生しました。約2ヵ月の間に制作したプロトタイプは100以上にのぼるといわれています。
そうやって誕生したiPodは、今や世界中で利用される携帯音楽プレーヤーとなりました。これはまさにスタートアップにおけるデザイン思考の代表例といっていいでしょう。
世界に誇る日本企業・任天堂が開発したゲーム機の「Wii」も代表的な成功例のひとつです。
このゲーム機は、社員の家庭を観察したことで生まれたもの。観察によってゲーム機のある家庭では子どもがリビングにいる滞在時間が短いことが分かり、家族で楽しめ家族の関係を良くするゲーム機というコンセプトのもとにこのゲーム機は生まれました。
社員の家庭を観察することによって着想を得た、デザイン思考の重要性がよく分かる事例といっていいでしょう。
システム開発にデザイン思考が必要な理由
あらゆるビジネスシーンで必要とされているデザイン思考は、システム開発においてもやはり必要とされています。
この思考方法で必要とされているのは上述したように5つのプロセスです。
システム開発においても観察・共感、定義、概念化、試作、テストというプロセスは必要不可欠。
観察によってユーザーのニーズを洗い出し、仮説を立てて課題解決のために多くのアイデアを出す。そしてそのアイデアの中からユーザーに好まれそうなものを試作品として作り、それをテストして改善や再考を繰り返す。
いいシステムを開発するためには、これら一連のプロセスは重要です。
むしろこのプロセスを経なければいいシステムを開発することはできないといってもいいでしょう。
つまりスタートアップや現代のビジネスにとってデザイン思考が必要であるようにシステム開発においてもデザイン思考は今や必要不可欠なのです。
まとめ
今回はスタートアップにとってもシステム開発にとっても必要なデザイン思考についてご紹介しました。
デザイン思考はスタートアップやシステム開発だけでなく、あらゆるビジネスシーンで必要とされています。
ビジネスで成功を掴むためには、デザイン思考の導入は必須だといっていいでしょう。
今やデザイン思考は、ビジネスの世界では常識となっているのです。
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