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「アプリ開発の担当、よろしく!」…って、何から始めればいいの?
ある日突然、上司からアプリ開発の担当に任命される。IT部門でもないのに、何から手をつけていいかサッパリ…。開発会社との打ち合わせでは専門用語が飛び交い、正直ちょっと不安。もし、あなたが今そんな状況なら、この記事はきっとお役に立てるはずです。
こんにちは!私たちpicks designは、UI/UXデザインを強みとする開発チームです。これまで数々のアプリ開発をお手伝いしてきましたが、多くのご担当者様が同じような不安を抱えていらっしゃいました。
この記事でお伝えしたいのは、単なる作業工程のリストではありません。それは、あなたのビジネスを成功に導くための「生きたロードマップ」です。各ステップの“なぜ?”を理解すれば、開発会社と対等に話せる知識と自信が手に入り、プロジェクトの成功確率をグッと高めることができます。もう「言われるがまま」にはなりません。さあ、一緒にアプリ開発という冒険の地図を広げてみましょう!
まずは全体像を掴もう!アプリ開発成功への8ステップ

アプリ開発は、家づくりによく似ています。どんな家に住みたいか(企画)を考え、設計図(設計)を描き、大工さん(エンジニア)が建てていく(開発)。いきなり壁紙の色から選んだりしないですよね?
まずはプロジェクト全体の地図となる、基本的な8つのステップを見ていきましょう。これを知っておくだけで、今自分がどの段階にいるのか、次は何をすべきかが見えてきますよ。
アプリ開発の全体ロードマップ
| ステップ | 主な目的 | 期間の目安(※) |
|---|---|---|
| 1. 企画 | ビジネス課題の特定とアイデアの具体化 | 2週間~1ヶ月 |
| 2. 要件定義 | アプリで「何を実現するか」を明確にする | 2週間~1.5ヶ月 |
| 3. 設計 | 最高のユーザー体験(UX)と画面(UI)を作る | 1ヶ月~2ヶ月 |
| 4. 開発 | 設計図を元に実際にプログラムを組む | 2ヶ月~6ヶ月 |
| 5. テスト | アプリが正常に動き、使いやすいか検証する | 2週間~1ヶ月 |
| 6. リリース | ストアにアプリを公開する | 1週間~2週間 |
| 7. 運用・保守 | 安定稼働の維持とユーザーサポート | 継続的に |
| 8. 分析・改善 | データに基づきアプリをさらに良くする | 継続的に |
(※)期間はアプリの規模や機能の複雑さによって大きく変動します。あくまで一般的な目安として捉えてくださいね。各ステップの詳細は、この後じっくり解説していきます!
成功の9割はここで決まる!超重要な「上流工程」のリアル

多くの人が「開発」フェーズに注目しがちですが、実はプロジェクトの成否は、その前の「企画」「要件定義」「設計」という上流工程で、ほぼ決まってしまうんです。ここでの舵取りが、後の手戻りや追加コスト、最悪の場合はプロジェクトの失敗を未然に防ぎます。
企画:それ、本当にユーザーが欲しいですか?
「こんなアプリがあったら面白いかも!」というアイデアは素晴らしい第一歩。でも、ビジネスとして成功させるには、「誰の、どんな課題を解決するのか?」「競合は?」「どうやって収益を上げるのか?」といった問いに深く向き合う必要があります。ここを曖昧にしたまま進むと、誰も使わない「自己満足アプリ」が出来上がってしまうことも…。
要件定義:「いい感じ」は危険信号
要件定義とは、アプリに必要な機能や仕様を、発注者と開発者が一緒に言葉で定義していくプロセスです。「いい感じに作ってください」は絶対にNG!これが後々の「言った言わない問題」の火種になります。例えば、大手通信キャリア様の複雑な業務システム開発では、数週間にわたるワークショップで現場の声を徹底的にヒアリングし、「誰が、何のために、どう使うか」をミリ単位で擦り合わせました。この丁寧さが、後の開発を驚くほどスムーズにしたんです。
設計:アプリの“魂”を込めるUI/UXデザイン
「設計=画面のデザイン(UI)でしょ?」と思ったら大間違い! ここが私たちの腕の見せ所であり、アプリの成功を左右する最重要ポイントです。UI(見た目)の前に、UX(ユーザー体験)、つまり「ユーザーがどう感じるか、どう行動するか」を徹底的に設計します。具体的には、ユーザーリサーチで本音を探り、プロトタイプ(試作品)で仮説検証を繰り返すんです。この地道な作業こそが、開発の手戻りを防ぎ、ユーザーに愛されるアプリを生み出す秘訣。単なるお絵描きではない、科学的なアプローチなんですよ。UI/UXの基本からもっと深く知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。「【図解】UIUXとは何か?初心者が知っておくべき基本知識」
ウォーターフォール vs アジャイル、あなたのプロジェクトに合うのはどっち?

設計図が固まったら、いよいよ開発手法を選びます。主に「ウォーターフォール」と「アジャイル」という2つのスタイルがあり、どちらが良い・悪いではなく、プロジェクトの性質によって向き不向きがあります。
| 開発手法 | 特徴 | メリット | デメリット | こんなプロジェクトにおすすめ |
|---|---|---|---|---|
| ウォーターフォール | 滝の水が流れるように、上流から下流へ一直線に進む。前の工程が完了しないと次に進めない。 | 全体像が把握しやすく、進捗管理が容易。品質を担保しやすい。 | 途中の仕様変更に弱い。完成まで実物が見えない。 | 仕様が完全に固まっている大規模システム、品質要求が非常に高いプロジェクト。 |
| アジャイル | 「計画→設計→開発→テスト」のサイクルを短期間で何度も繰り返す。柔軟に変化に対応する。 | スピーディーで、仕様変更に強い。ユーザーの声を素早く反映できる。 | 全体のスケジュールや予算が見えにくいことがある。方向性がブレやすい。 | 仕様が未確定な新規事業、市場の変化に素早く対応したいプロジェクト。 |
例えるなら、ウォーターフォールは「伝統料亭のフルコース」。最初に決めた献立通りに、一品ずつ完璧な料理が出てきます。一方、アジャイルは「人気のライブキッチン・ビュッフェ」。美味しそうなものから少しずつ試食して、気に入ったものをどんどん追加していくイメージです。
以前ご支援した公式アプリ開発では、まさにアジャイル開発を採用しました。毎週プロトタイプを触っていただき、フィードバックを即座に反映する。このスピーディーなサイクルがあったからこそ、市場の変化に乗り遅れることなく、ユーザー満足度の高いアプリをリリースできたんです。あなたのプロジェクトは、カッチリしたコース料理を目指しますか?それとも、みんなで作り上げるビュッフェを楽しみますか?
優れたユーザー体験は、アプリの価値を最大化します。最新のデザイントレンドについては、以下の記事をご覧ください。
注目のアプリデザイントレンド|ユーザー体験を向上させる秘訣
アイデアがカタチに!開発・テスト・リリースの舞台裏
さあ、いよいよプロジェクトも中盤戦。設計図を元に、エンジニアが実際にアプリを組み立てていく工程です。ここでは、発注者側が知っておくとスムーズに進む、舞台裏のポイントをお伝えします。
開発:魔法ではなく、地道なチームプレイ
エンジニアが黙々とコードを書いている…そんなイメージがあるかもしれませんが、実際の開発現場はコミュニケーションが命です。特にアジャイル開発では、毎日のように進捗確認ミーティング(朝会)を開き、「昨日やったこと」「今日やること」「困っていること」をチーム全員で共有します。
ここで発注者として大切なのは、「進捗を把握し、必要な判断を迅速に行うこと」。開発中に生じた疑問や仕様の確認に素早く応えることで、開発チームは迷いなく手を動かせます。決して「丸投げ」にせず、同じチームの一員として伴走する意識が、プロジェクトを加速させます。
テスト:「バグ探し」だけが目的じゃない
テスト工程の目的は、単にバグ(不具合)を見つけることだけではありません。もっと大切なのは、「設計通りのユーザー体験が、本当に実現できているか?」を検証することです。ボタンは押しやすいか?文字は読みやすいか?操作に迷うところはないか?こうした「使い心地」の部分を、第三者の視点で厳しくチェックします。ここで見つかった課題をリリース前に修正することが、ユーザーのアプリ評価に直結するのです。
リリース:最後の落とし穴に注意!
アプリが完成し、テストも完了!いよいよ公開だ!と意気込むところですが、AppleのApp StoreやGoogle Play Storeへの申請には、意外な「審査」という関門が待っています。リジェクト(審査落ち)されると、公開が数週間遅れることも…。特に、決済機能や個人情報の扱いに関する規約は非常に厳しいので、申請のルールを事前に開発会社としっかり確認しておくことが重要です。最後まで気を抜かずに、ゴールテープを切りましょう!
アプリの使いやすさを、もう一段階レベルアップさせたい…」そうお考えなら、こちらの記事「注目のアプリデザイントレンド|ユーザー体験を向上させる秘訣」がおすすめです。最新のデザイントレンドを取り入れて、ユーザー体験を劇的に向上させるヒントが満載です。
アプリは「生もの」!リリース後に始まる本当の戦い
無事にアプリをリリース!おめでとうございます!…でも、実は本当のスタートはここからです。多くのプロジェクトが、リリースした瞬間に「終わった」と安心してしまうのですが、それは大きな間違い。公開したアプリは、いわば「生まれたての赤ちゃん」。ユーザーの声を聞き、データを見ながら、大切に「育てて」いく必要があります。
運用・保守:縁の下の力持ち
まず欠かせないのが、サーバーの監視やOSのアップデート対応といった地道な運用・保守です。これがないと、ある日突然アプリが動かなくなる、なんていう悲劇も起こりかねません。見えにくい部分ですが、アプリの信頼を支える非常に重要な活動です。
分析・改善:ユーザーの声なき声に耳を傾ける
そして、最も重要なのがこのサイクルです。
- 1. データ分析: どの機能がよく使われている?ユーザーはどこで離脱している?ダウンロード数やアクティブユーザー数といったKPI(重要業績評価指標)を追いかけ、アプリの健康状態を診断します。
- 2. フィードバック収集: レビューや問い合わせに寄せられるユーザーの生の声は、改善のヒントの宝庫です。「使いにくい」「こんな機能が欲しい」といった声にこそ、次の一手が隠されています。
- 3. 改善・アップデート: データとフィードバックに基づき、改善の仮説を立て、次のアップデート計画に繋げます。
この「リリース→分析→改善」のサイクルを回し続けることこそが、アプリを長く愛されるサービスへと成長させる唯一の道なのです。失敗を恐れず、ユーザーと一緒にアプリを育てていきましょう!
開発会社に“うまく”仕事をしてもらう、たった3つの心構え
ここまでアプリ開発の流れを解説してきましたが、最後に、プロジェクトの成否を分ける最も人間的な要素、つまり発注者であるあなたの「心構え」について、少しだけお話しさせてください。どんなに優秀な開発会社を選んでも、ここがズレていると、プロジェクトはなかなか前に進みません。
- 「お客様」ではなく「パートナー」であれ
「お金を払っているんだから、全部やってくれるでしょ?」というスタンスは、残念ながらうまくいきません。最高のアプリは、発注者と開発者がお互いの知識と経験をリスペクトし、一つのチームとして同じゴールを目指す「パートナーシップ」から生まれます。あなたの持つビジネスや顧客に関する知識は、私たち開発者にとって何よりの宝物なんです。
- 完璧な100点より、まずは60点のプロトタイプを
特に真面目なご担当者ほど、最初から完璧なものを求めがちです。しかし、頭の中で考えた「完璧な計画」は、実際にユーザーの前に出すと、全く的外れだった、なんてことは日常茶飯事。それよりも、まずは60点の完成度でもいいので、素早くプロトタイプ(試作品)を作り、ユーザーの反応を見ながら改善していく方が、結果的に成功への近道になります。この考え方が、開発リスクを劇的に下げることができる『デザインスプリント』のような手法にも繋がっています。
- 最高のコミュニケーションは「率直さ」
「こんなこと言ったら悪いかな…」という遠慮は不要です。少しでも疑問に思ったら、すぐに質問する。デザインを見て「何か違う」と感じたら、正直に伝える。その率直なコミュニケーションが、手遅れになる前の軌道修正を可能にします。私たちも、プロとして気づいたことは率直にお伝えします。お互いに腹を割って話せる関係を築くことが、成功の鍵です。
いかがでしょうか?あなたのプロジェクトを成功させる準備は、もう整いましたか?
まとめ:アプリ開発は、成功への物語を描く旅
今回は、アプリ開発の全体像を、企画からリリース後の改善サイクルまで、8つのステップに沿って解説しました。もう一度、ロードマップをおさらいしましょう。
- ✅ 上流工程(企画・要件定義・設計): プロジェクトの土台。ここで成功の9割が決まる。
- ✅ 開発手法(ウォーターフォール/アジャイル): プロジェクトの性質に合ったスタイルを選ぶ。
- ✅ 中流工程(開発・テスト・リリース): アイデアをカタチにし、世に送り出す。
- ✅ 下流工程(運用・改善): リリースはゴールではなくスタート。アプリを「育てる」フェーズ。
大切なのは、これを単なる作業リストとして捉えるのではなく、「ビジネス課題を解決し、ユーザーに最高の体験を届ける」という一つの物語として捉えることです。そして、その物語の主人公は、開発会社任せにするのではなく、プロジェクトを率いるあなた自身です。
その第一歩として、実際にどのくらいの予算が必要なのかを把握することが重要です。詳しくは「アプリ開発費用の相場を完全公開」でご確認ください。
「とはいえ、自社だけで進めるのはやっぱり不安…」
「うちのビジネスに最適な『流れ』を、プロと一緒に考えたい」
もしそう感じたら、私たちの出番です。あなたのプロジェクトに最適なUI/UXデザインについて、詳しくはこちらのサービスページをご覧ください。専門のデザイナーがご相談に乗ります。







