デジタルプロダクトが溢れる現在、Webサイトやアプリケーションの成功を左右する最大の要因は「UIデザイン(ユーザーインターフェースデザイン)」と言われています。
UIデザインは、「見た目の綺麗さ」だけではもはや通用しません。ビジネスの成果に直結し、ユーザーに愛されるプロダクトを作るためには、論理的な設計思考とプロフェッショナルな鉄則が必要です。
目次
UIデザインとは?基礎知識をわかりやすく解説

デザインの議論を始める前に、まずは言葉の定義を明確にしておきましょう。
UIデザインは単なる「装飾」ではなく、ユーザーとシステムをつなぐ重要な「機能」です。
UIとUXの違いは?ユーザーインターフェースの基本的意味と役割
UI(User Interface)とUX(User Experience)はセットで語られることが多いですが、その役割は明確に異なります。
プロの現場では、この二つを混同せず、相互作用を理解して設計することが求められます。
| 用語 | 日本語訳 | 定義 | 役割 | 具体例 |
|---|---|---|---|---|
| UI | ユーザーインターフェース | ユーザーが製品やサービスと接触する「接点」そのもの | 見た目・操作性・レイアウト・フォントなど | 画面上のボタン、入力フォーム、メニューバー、音声操作の認識音など。 |
| UX | ユーザーエクスペリエンス | ユーザーが製品を通じて得られる「体験」全体。 | 使いやすさ、楽しさ、満足度、課題解決のプロセス。 | 「商品がすぐ見つかる」「購入手続きがストレスなく終わる」「使っていて楽しい」という感情。 |
UIはUXを実現するための重要な「手段」です。

例えば、レストランに例えるなら、料理の味や接客、店内の雰囲気が「UX(体験)」であり、メニュー表のデザインやカトラリーの使いやすさが「UI(接点)」にあたります。

どんなに美味しい料理(コンテンツ)があっても、メニューが読みづらくフォークが重すぎれば(UIが悪い)、顧客の満足度(UX)は下がってしまいます。
関連記事 : 失敗しないUIUXデザイン会社5選と選定ノウハウ
なぜ今UIデザインが注目されるのか―背景と理由を理解する
近年、UIデザインの重要性が急速に高まっている背景には、ビジネス環境の大きな変化があります。
UIデザインが注目される理由
- ●デジタル・トランスフォーメーション(DX)の加速
あらゆるサービスがデジタル化する中で、使いにくいシステムは業務効率を下げ、顧客離れを引き起こす直接的な原因となります。 - ●「機能」での差別化が困難に
技術の進化により、機能面での差をつけることが難しくなりました。結果として、「使いやすさ」や「心地よさ」といった体験価値が、選ばれるための最大の基準になっています。 - ●「モバイルファースト」の定着
スマートフォンという小さな画面で情報を処理する必要があるため、限られたスペースで直感的に操作できる「高度なUI設計スキル」が求められています。
プロが教えるUIデザインの鉄則と原則
優れたUIデザインには、個人のセンス以前に、人間工学や認知心理学に基づいた「絶対的なルール」が存在します。これらを守るだけで、デザインの品質は劇的に向上します。
効果的なUIデザインの原則:整列・近接・コントラスト・反復
デザイナーなら誰もが知っておくべき「デザインの4原則」は、UIデザインにおいても最重要の基礎です。これらを意識することで、情報の伝わりやすさが格段に変わります。
要素を恣意的に配置せず、見えない線(グリッド)に沿って揃えます。左揃え、中央揃えなどを徹底することで、画面に秩序と信頼感が生まれます。
関係の深い要素同士を近づけ、関係のない要素は離します。グループ化することで、ユーザーは直感的に情報のまとまりを認識できます。
情報の優先順位を明確にします。重要なボタンは大きく色を濃くするなど、メリハリをつけることで視線誘導を行います。
同じ機能や意味を持つ要素には、同じデザインを繰り返します。ルールを統一することで、ユーザーの学習コストを下げます。
すべてのUIデザインの原則は、上記4つの要素を含むと考えられていますので、是非覚えておきましょう。
直感的で使いやすいデザインを実現するコツとポイント
「直感的」とは、ユーザーが考えずに操作できる状態を指します。これを実現するためのプロのコツを紹介します。
- ✓メンタルモデルを利用する
現実世界のメタファー(ゴミ箱アイコンで削除など)や、一般的なWeb標準を踏襲します。奇をてらった独自ルールは避けます。 - ✓フィードバックを即座に返す
ボタンを押したら色が凹む、読み込み中ならローディングを表示する。システムが操作を受け付けたことを常に可視化します。 - ✓「ヒックの法則」を意識する
選択肢が増えるほど、意思決定にかかる時間は長くなります。一度に表示する選択肢を減らし、認知的負荷を下げることが重要です。
UI デザインでは、不要な要素を削除し、直感的に使用できる「シンプルさ」がUX向上に繋がると言われています。
オブジェクト指向設計を活用したUI設計の考え方
近年、特に業務システムや複雑なアプリ開発で重要視されているのが「OOUI(Object-Oriented User Interface:オブジェクト指向UI)」です。
オブジェクト指向とは、従来の「タスク指向(何をするか)」ではなく、「オブジェクト(何に対してするか)」を起点に設計する手法です。
例えば、「メールを送る画面に行く」ではなく、「メール一覧(オブジェクト)があり、そこから選んで送る」という設計にします。
OOUIのメリット
- 画面数が減り、構成がシンプルになる。
- ユーザーが自由に操作の手順を選べるため、自由度が高い。
- 開発時のコンポーネントの再利用性が高まる。
picks designでは、大規模な開発案件においてこのOOUIの概念を導入し、手戻りのない堅牢な設計を行っています。
関連記事 :【図解】UIUXとは何か?初心者が知っておくべき基本知識
【図解】UIUXとは何か?初心者が知っておくべき基本知識
UIデザインの作り方と設計プロセス
いきなりPCに向かってデザインツールを開くのは、プロの仕事ではありません。成功するUIデザインは、綿密なリサーチと設計プロセスから生まれます。
ユーザーリサーチとユーザーテストの実施方法
「誰が」「どのような状況で」「何を解決したいのか」を知らずにデザインすることは不可能です。UIデザインは、ユーザーリサーチとテストを最初に実施するところから始めましょう。
ユーザーリサーチ・テスト方法
- ■ユーザーインタビュー
実際にターゲット層に話を聞き、潜在的なニーズや現状の不満(ペインポイント)を探ります。 - ■ペルソナ策定
ターゲットユーザーの具体的な人物像(年齢、職業、ITリテラシー、価値観)を設定します。 - ■ユーザージャーニーマップ
ユーザーがサービスを知り、利用し、目的を達成するまでの一連の流れを可視化し、必要なUIを洗い出します。
このように、最初にユーザーを確定し、UIデザインの目的を可視化していきましょう。
関連記事2
ワイヤーフレーム・プロトタイプ作成と反復改善の流れ
次にビジュアルを作り込む前に、まずは骨組みを作ります。
- ワイヤーフレーム(低忠実度)
手書きやモノクロの図形で、情報の配置と画面遷移のみを設計します。この段階で仕様の矛盾を洗い出します。 - プロトタイプ(高忠実度)
実際の完成イメージに近いデザインを作成し、画面遷移の動き(インタラクション)をつけます。 - ユーザーテスト
プロトタイプを実際のユーザーに触ってもらい、検証します。ここでの発見をもとに修正を行うサイクルが品質向上の鍵です。
さまざまなUIテストを行うことで、実際の動きをシュミレーションすることができますので、納得いくまでテストを重ねていきます。
![]()
GENCHOリニューアルアプリ
![]()
UIデザインシステムの構築と活用による品質向上
継続的なサービス運用や多人数での開発において欠かせないのが「デザインシステム」です。
フォントサイズ、カラーパレット、ボタンの形状、余白のルールなどを定義し、再利用可能なコンポーネントとして管理します。
デザインシステム導入の効果
- ●一貫性の担保
誰がデザインしても同じ品質、トーン&マナーが保たれます。 - ●開発スピード向上
コーディング済みのパーツを組み合わせるだけで画面が作れるため、実装工数が大幅に削減されます。 - ●コミュニケーションコストの削減
エンジニアとデザイナーの共通言語となり、仕様確認の手間が減ります。
デザインシステムを導入することで、デザインの均一化や作業効率の向上が見込まれます。
デザインシステムの導入実績として、アプリやweb開発の現場でUIデザインを実践する企業、「picks design」の事例をご紹介します。
picks designは、UI/UXを取り入れたデザインシステムを開発する会社です。クライアント様、ユーザー様のニーズをお伺いのうえ、最適なデザイン環境をご提案し、利便性向上に努めております。
代表的な事例は以下の内容です。
![]()
株式会社グランデ 血糖値アプリ
![]()
![]()
株式会社manaby「マナe」
![]()
![]()
イナミコーポレーション LPデザイン
![]()
このようにUIデザインはユーザー様(クライアント)の利便性を高め、品質向上や売上アップに繋げる動線を確保することに繋がることが分かります。
また、現場のニーズを整理し改善に取り組むことで、業務の効率化や開発スピードの向上、コミュニケーションコストの削減などさまざまな効果が見込めます。
UIデザインをもとに、現在の問題点を整理しUX(ユーザー体験)向上に是非取り組んでみてください。
UIデザインの現場で使える最新ツールとリソース

UIデザインのツールは進化が早く、スタンダードが数年で変わることも珍しくありません。現在、現場で主流となっているツールを紹介します。
人気のUIデザインツール比較:Figma、Adobe XDほか
現在、圧倒的なシェアを誇るのはFigmaです。しかし、プロジェクトの性質によっては他のツールが選ばれることもあります。
| ツール名 | 特徴 | おすすめの用途 |
|---|---|---|
| Figma | ブラウザベースでリアルタイム共同編集が可能。プラグインも豊富で現在の業界標準。 | チーム開発、デザインシステム構築、ハンドオフ |
| Adobe XD | Adobe製品との連携がスムーズ。動作が軽く、プロトタイピング機能が直感的。 | Adobeユーザー、小規模〜中規模のプロトタイピング |
このようにUIデザインで使用されている主要ツールはFigma・Adobe XDですが、じつはAdobe XDは2025年12月現在、単品販売はすでに終了しています。
現在、Adobe CCで契約されている方は引き続き使用されるケースもありますが、新規でUIデザインに取り組む方は業界標準となりつつあるFigma一択となるでしょう。
また、機能的にもFigmaの方が洗練されているため、開発効率を高める目的でこれから使用するツールをお探しの場合は、Figmaを導入されることをおすすめします。
UIデザインの事例・資料集―Web・アプリ・ゲームへの応用
優れたデザインのアウトプットを出すには、良質なインプットが不可欠です。プロが日常的にチェックしている参考サイトを活用しましょう。
Pinterest / Dribbble / Behance
ビジュアルのトレンドやインスピレーションを得るのに最適です。Mobbin / Page Flows
実在するアプリの画面遷移(フロー)やUIパターンを網羅しており、具体的な設計の参考に役立ちます。
BY Material Design (Google)
Material Design (Google) / Human Interface Guidelines (Apple)
OS標準のガイドライン。これを読むことはUIデザイナーの「義務教育」と言えます。
PC・スマホなど複数デバイスでのUIデザインのポイント
現代のUIデザインは「レスポンシブ」が前提です。
- モバイルファースト
制約の多いスマホ画面から設計を始めることで、情報の優先順位が明確になります。 - タップターゲット
指で操作するスマホでは、ボタンサイズを最低でも44px×44px以上(Apple推奨)確保し、押し間違いを防ぎます。 - ホバー状態の有無
PC(マウス操作)にはホバーアクションがありますが、スマホにはありません。デバイスごとの操作特性を理解した設計が必要です。
独学・勉強におすすめのUIデザイン本・書籍・教科書
実務経験がなくても、書籍から体系的な知識を得ることは可能です。Picks Designのメンバーも読んでいる、必読の書籍を厳選しました。
UIデザインの基礎が学べる定番書籍とレビュー

引用 : amazon.co.jp
『誰のためのデザイン?』 (D.A.ノーマン)
UIデザインのバイブル。ドアノブなどの日常の事例から、認知心理学と使いやすさの本質を学べます。
引用 : amazon.co.jp
『ノンデザイナーズ・デザインブック』
前述した「4つの基本原則」を視覚的に学べる良書。デザイナーではない人にもわかりやすく解説されています。
引用 : amazon.co.jp
『UIデザインの教科書』
Web・アプリデザインの基礎から実践的なレイアウト手法まで、日本国内の事例をもとに体系的に解説されています。
実践力が身につく教科書・参考書・最新トレンド本の選び方
基礎を固めた後は、より実践的な書籍を選びましょう。「OOUI」に関する専門書や、Figmaの操作解説書、あるいは「行動経済学」などマーケティング視点を含んだデザイン本も役立ちます。
選ぶ際のポイントは、「発行年が新しいか(または改訂されているか)」です。デバイスやトレンドの変化が激しいため、あまりに古い技術書は現状に即していない場合があります。
独学でも安心!無料・有料で活用できるUIデザイン資料と勉強法
- トレース(模写)
既存の優れたアプリの画面を、ツールを使ってそっくりそのまま書き写す練習法です。余白の取り方やフォントサイズを肌感覚で学べます。 - Daily UI
毎日一つのお題(ログイン画面、計算機など)に対してデザインを作成し、SNSにアップするチャレンジです。ポートフォリオ作りにも役立ちます。 - オンラインコース
UdemyやCourseraなどで、海外の著名なデザイナーの講座を安価に受講できます。
ゲーム・アプリで注目のUIデザイン事例と成功のコツ
エンターテインメント性の高いゲームやアプリでは、一般的なWebサイトとは異なるアプローチが求められます。
ゲームUIデザインの最新トレンドと具体的な例
ゲームUI(GUI)における最大の目的は「没入感を阻害しないこと」です。
- ダイエジェティックUI
ゲーム内の空間にUIを溶け込ませる手法(例:キャラクターが持っている地図を見る、体力が背中の装置に表示されるなど)。 - フラットデザインとスキューモーフィズムの融合
視認性を保ちつつ、世界観に合わせた質感(金属、木目、魔法の光など)を取り入れます。
スマホアプリにおけるUI設計の工夫・ユーザー事例
毎日使われるアプリ(SNS、ツール系)では、「マイクロインタラクション」がUXを左右します。
- いいねボタンのアニメーション
タップした瞬間の心地よい動きが、ユーザーの行動を強化します。 - スワイプ操作
Tinderのようなカードスワイプや、Gmailのアーカイブ操作など、ジェスチャーだけでタスクを完了できる設計は、スマホアプリならではの成功事例です。
Webサイト・3D・デジタル環境で求められるUIの違い
- Webサイト
SEOや情報の検索性が重要。スクロール量に応じたナビゲーションの変化などが求められます。 - VR/AR/3D
画面の枠(フレーム)が存在しないため、視線追跡や空間的な距離感を考慮した、全く新しいUI設計(スペーシャルデザイン)が必要です。
UIデザインの改善とユーザー体験向上のためのチェックリスト
リリースはゴールではありません。ユーザーの反応を見ながら改善し続けることこそが重要です。
負荷・発生しやすい問題&解決のためのチェック項目
- ✅読み込み時間は適切か?
画像サイズを最適化し、スケルトンスクリーンを活用して体感待ち時間を減らす。 - ✅エラーメッセージは親切か?
「エラーです」だけでなく、「何が原因で、どうすれば直るか」を具体的に提示する。 - ✅アクセシビリティは確保されているか?
色覚多様性への配慮、スクリーンリーダー対応、十分なコントラスト比があるか。
ユーザー視点でのナビゲーション・ビジュアルデザイン改善法
ヒートマップツールなどを使って、「ユーザーが見ている場所」「クリックしようとしてできない場所」を特定します。
ナビゲーションのラベル(メニュー名)がわかりにくい場合は、専門用語を避け、ユーザーが使う言葉に置き換える(ラベリングの改善)だけでもCVRが向上することがあります。
UIデザインの効果検証とGoogleなどの分析ツール活用法
- Google Analytics
離脱率の高いページを特定し、UIに問題がないか調査します。 - A/Bテスト
ボタンの色や文言を変えた2つのパターンを用意し、どちらが効果が高いか定量的に判断します。
デザインの良し悪しを「好み」で語らず、「数字」で検証する姿勢が、ビジネスを成功させるUIデザインには不可欠です。
まとめ|失敗しないUIデザイン設計思考と今後のトレンド
UIデザインは、論理と感性、そしてビジネス視点を統合する高度な専門領域です。
本記事の復習:UIデザイン成功のために必要な視点
- ユーザー中心設計(HCD)
常に「ユーザーは何をしたいのか」を起点に考える。 - 基本原則の徹底
整列、近接、コントラスト、反復を守り、認知負荷を下げる。 - 継続的な改善
作って終わりではなく、テストとデータを元に育てていく。 - システム思考
コンポーネント化とルール作りで、効率と品質を担保する。
今後のUIデザイン注目トレンドと学び続けるメリット
AIによるデザイン自動生成や、音声インターフェース(VUI)、空間コンピューティングなど、UIデザインの領域は広がり続けています。
しかし、ツールやデバイスが変わっても、「人間を理解し、使いやすさを設計する」という本質は変わりません。
確かな設計思考を身につけることは、デザイナーとしてのキャリアはもちろん、ビジネスパーソンとしての市場価値を大きく高める武器になります。
UI/UXデザインのプロフェッショナルパートナーをお探しですか?
株式会社picks designでは、スタートアップから大手企業まで、ビジネスの課題を解決するUI/UXデザインを提供しています。
単なる画面作成にとどまらず、事業戦略に基づいたコンセプト設計、デザインシステムの構築、そして開発実装までを一気通貫でサポートいたします。
■ 企業担当者様
「使いにくいシステムを刷新したい」「新規アプリのUIをプロに任せたい」とお考えでしたら、ぜひ一度ご相談ください。貴社の課題に合わせた最適なデザインソリューションをご提案します。
■ インターン・採用希望の方へ
picks designでは、本気でUIデザインを学びたいインターン生や、即戦力のデザイナーを募集しています。プロの現場で、理論と実践に基づいた「勝てるデザイン」を一緒に作りませんか?















