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アプリ担当者さん、MAUの数字と”にらめっこ”してませんか?

「今月のMAU、ちょっと下がったな…」「競合はどれくらいなんだろう?」
アプリ事業に関わるあなたなら、一度はこんな風にMAU(月間アクティブユーザー数)の数字に頭を悩ませたことがあるのではないでしょうか。わかります、その気持ち。MAUはアプリの健康状態を示す、いわば”体温”のようなもの。上がれば喜び、下がれば不安になる、非常に重要な指標ですよね。
でも、ただ数字を眺めているだけでは、何も変わりません。巷にはMAU改善の記事が溢れていますが、書いてあるのは一般的な施策ばかり。「そんなことは知ってるんだよ!」と思わず叫びたくなったこと、ありませんか?
この記事は、そんなあなたのために書きました。MAUの基本の「き」から、競合に差をつけるための”本質的な”改善策、特に私たちpicks designが得意とするUI/UXデザインの力でMAUをどう伸ばすか、という点に徹底的にフォーカスします。もう小手先のテクニックに振り回されるのはやめにして、ユーザーに心から愛されるアプリを育てる旅に、一緒に出かけましょう!
今さら聞けない「MAU」の基礎知識と、本当の”読み方”
まずは基本の確認から。でも、教科書通りの説明じゃつまらないので、サクッと本質だけ押さえましょう。
MAU (Monthly Active Users) は、その名の通り「月に1回以上アプリを利用したユーザーの数」です。シンプルですね。よく似た言葉にDAU(日間)やWAU(週間)がありますが、これは測定する期間が違うだけ。
| 指標 | 名称 | 期間 |
|---|---|---|
| DAU | Daily Active Users | 1日 |
| WAU | Weekly Active Users | 1週間 |
| MAU | Monthly Active Users | 1ヶ月 |
重要なのは、これらの関係性からアプリの”粘着度”を読み解くことです。ここで登場するのが「DAU/MAU比率」。これは、月間ユーザーのうち、どれくらいの割合が毎日使ってくれているかを示す指標。SNSのように毎日使うアプリならこの比率は高くなりますし、旅行予約アプリのように月に数回使うアプリなら低くなります。
- ✔DAU/MAU比率が高い → ユーザーが習慣的に使ってくれている(熱狂的ファンが多い!)
- ✔DAU/MAU比率が低い → たまにしか使われていない(忘れられてるかも…?)
あなたのアプリはどっちのタイプですか?MAUの絶対数だけでなく、この「比率」にこそ、改善のヒントが隠されているんですよ。
なぜ私たちはMAUに”一喜一憂”してしまうのか?

そもそも、なぜこんなにもMAUが重要視されるのでしょうか?売上に直結するわけでもないのに…。その答えは、MAUがアプリ事業の”未来の可能性”を映し出す鏡だからです。
考えてみてください。どんなに素晴らしい機能があっても、どんなに収益性の高いビジネスモデルでも、使ってくれるユーザーがいなければ、すべては絵に描いた餅。MAUは、その事業の「土台の大きさ」そのものなんです。
● 収益の基盤: ユーザーが多ければ、広告収益も、課金ユーザーも、そこから生まれます。MAUは収益の天井を決める要素です。
● ユーザー行動のデータソース: 多くのユーザーが使うことで、分析に必要なデータが蓄積されます。何が人気で、どこで離脱しているのか。MAUは、改善のための貴重な声を届けてくれるんです。
● サービスの価値証明: 投資家や提携先に対して、「私たちのアプリはこれだけの人に支持されています!」と胸を張って言える、最も分かりやすい指標。それがMAUです。
ぶっちゃけ、MAUを伸ばすことは、ユーザーに「あなたのアプリ、いいね!」と言ってもらえる回数を増やすことと同じ。だからこそ、私たちはこの数字に一喜一憂し、その向上に情熱を燃やすわけですね。
「で、うちのMAUってどうなの?」業界別およその目安
「MAUが大事なのはわかった。でも、うちのMAUって、業界的に見て高いの?低いの?」これ、担当者が抱える最大の疑問のひとつですよね。安心してください。ここで最新のデータに基づいて、大まかな目安を見ていきましょう。
もちろん、これはあくまで平均的なデータ。一概に比較はできませんが、自社の立ち位置を知る良いきっかけにはなるはずです。
【業界別・30日後リテンションレート(継続率)の目安】
| 業界 | 30日後リテンションレート |
|---|---|
| メディア&エンタメ | 7% |
| ファイナンス | 6% |
| ショッピング(EC) | 5% |
| ゲーム(カジュアル) | 4% |
| 全業界平均 | 約6% |
出典: Adjust「モバイルアプリトレンド2024」
見てください、この数字。結構シビアだと思いませんか?100人がインストールしても、1ヶ月後にはたった6人しか残っていないのが平均的な世界なんです。MAUを増やすには、新規ユーザーを獲得し続けるだけでなく、この”ザル”の目をいかに細かくしていくか(=リテンションレートを高めるか)が、めちゃくちゃ重要になってきます。
計測には、Firebase (Google Analytics) や Adjust、AppsFlyerといった専門ツールが便利です。まずは自社の正確な数字を把握するところから始めてみましょう。
アプリ運営に欠かせない基本指標については、『いまさら聞けないDAUの基礎知識と活用法』で詳しく解説しています。
まずは押さえておきたい、MAU向上施策の基本技

さて、ここからはいよいよ改善施策の話。まずは、多くの記事で語られている「基本技」からおさらいしましょう。これらは確かに有効ですが、大切なのは「ただやること」ではなく「どうやるか」です。
① プッシュ通知:
「新機能のお知らせ!」なんて全員に同じ通知を送っていませんか?ユーザーの利用状況に合わせて「〇〇さん、お気に入りの商品が再入荷しましたよ」といったパーソナライズされた通知を送るのがキモ。Upland社の調査では、これで開封率が最大9%も向上するそうです。
② アプリ内メッセージ:
アプリを使っている「その瞬間」に語りかける強力な手法。初回起動時のオンボーディングや、特定の機能を使った後の「Good Job!」のようなフィードバックなど、ユーザー体験をリッチにするために活用できます。
③ A/Bテスト:
ボタンの色や文言、レイアウトなどを2パターン用意して、どちらがより良い成果を出すか試すこと。勘に頼らず、データに基づいて意思決定するための必須スキルです。地味ですが、この積み重ねが大きな差を生みます。
これらの基本技をしっかり押さえた上で、次のステップに進みましょう。いよいよ、本記事の核心です。
【本丸】MAUは”デザイン”で伸ばせる!UI/UX改善の具体策
ここからが本番です。競合と差をつけ、ユーザーに熱狂的に愛されるアプリになるための鍵、それは「UI/UXデザイン」にあります。
「UI/UXって、見た目をキレイにすることでしょ?」…もしそう思っているなら、非常にもったいない!
真のUI/UXデザインとは、ユーザーの”行動”を設計し、無意識のうちに「また使いたい」と思わせる体験を創り出すことです。
1. ユーザーの”心の声”を聴くことから始まる
なぜユーザーは離脱するのか?どこで迷っているのか?これを解き明かすのがユーザーインタビューや行動分析です。私たちがご支援したAI姿勢推定アプリでは、ユーザーが「自分の成長を実感したい」というインサイトを発見。トレーニング履歴を美しく可視化するUIを設計し、モチベーション維持と継続利用に繋げました。
2. 「使っていて心地よい」は、こう創る
MAU向上の本質は「習慣化」です。毎日使いたくなるアプリは、操作がスムーズでストレスがない。これを実現するのが「行動デザイン」の考え方です。
- ・認知負荷の低減: 情報を詰め込みすぎず、ユーザーが迷わない画面にする。
- ・適切なフィードバック: ボタンをタップしたら、ちゃんと反応が返ってくる。この小さな安心感の積み重ねが信頼を生む。
- ・マイクロインタラクション: ちょっとしたアニメーションなど、心憎い演出で「おっ」と思わせる。
UI/UX改善を成功させるためには、KPI設定だけでなく全体的な戦略設計も欠かせません。実際に成果を上げている事例や仕組みについては、『優れたアプリ戦略|成功モデルを徹底解説』で詳しく紹介しています。
意外とやりがち?MAU改善の”よくある落とし穴”
良かれと思ってやった施策が、実は逆効果だった…なんて、考えただけでもゾッとしますよね。ここでは、私たちが現場で見てきた「よくある失敗」をこっそりお教えします。他人の失敗から学んで、賢くMAUを伸ばしましょう。
落とし穴1:「通知の絨毯爆撃」
MAUを増やしたいあまり、毎日何度もプッシュ通知を送ってしまうケース。これは最悪手です。ユーザーにとってはただの迷惑で、アプリのアンインストールに直結します。通知は「量より質」。本当に価値のある情報を、適切なタイミングで届けることを心がけましょう。
落とし穴2:「機能のてんこ盛り」
ユーザーの要望に応えようと、次から次へと機能を追加。結果、アプリが複雑になりすぎて、どこに何があるか分からない「魔境」と化してしまう…。新しい機能を追加する際は、本当にそれがコアな価値を高めるものなのかを冷静に判断する必要があります。時には、機能を引き算する勇気も必要です。
落とし穴3:「MAU至上主義」
MAUという数字だけを追いかけるあまり、本質を見失うパターン。例えば、プレゼントキャンペーンで一時的にMAUが跳ね上がっても、キャンペーンが終わればユーザーは去っていきます。それは本当のファンではありません。大切なのは、MAUの”数”だけでなく、その”質”。ユーザーがどれだけ熱中してくれているか(エンゲージメント)も、同時に見ていく必要があります。
まとめ:MAU向上は、ユーザーと向き合う終わらない旅
ここまで、MAUの基本から具体的な改善策、そして落とし穴まで、かなり詳しく見てきました。いかがでしたか?
重要なポイントのまとめ
- MAUはアプリの”体温”。その背景にある「DAU/MAU比率」で健康状態を測ろう。
- 平均的な継続率は月6%。新規獲得と同時に、離脱を防ぐ視点が超重要。
- 小手先の施策ではなく、UI/UXデザインで”習慣化”を設計することが、MAU向上の本質。
MAU向上に、一発逆転の魔法の杖はありません。それは、ユーザー一人ひとりと真摯に向き合い、仮説と検証を地道に繰り返す、終わりのない旅のようなものです。
この記事が、あなたのその長い旅の、頼れる地図のような存在になれたなら、これ以上に嬉しいことはありません。
「自社の場合はどうすれば?」「UI/UXの改善について、もっと具体的に相談したい」
もしそう感じたら、いつでも私たちpicks designにお声がけください。
あなたのアプリがユーザーに愛され、事業が力強く成長していくお手伝いができることを、心から楽しみにしています。






