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正直な話、あなたの会社の社内システム、使いにくくないですか?

「またこのシステムか…」と毎朝ため息をついている方、きっと少なくないはずです。正直なところ、多くの社内システムって、お世辞にも使いやすいとは言えないものが多いですよね。私自身、前職で「なんでボタンがここにあるんだ!」と心の中で叫んだことは一度や二度ではありません。
でも、この「使いにくさ」って、実はただのストレス源じゃないんです。会社の利益を静かに蝕む、見過ごせない経営コストそのもの。この記事では、そんな日々のイライラを、経営陣も納得する「具体的な数字」に変え、UI改善の予算を勝ち取るための強力な武器、投資対効果(ROI)の算出方法を、実例を交えながらトコトン解説していきます。
「社内システムのCVR」って、そもそも何?
Webマーケティングの世界ではお馴染みのCVR(コンバージョンレート)。ECサイトなら「購入完了」、情報サイトなら「資料請求」ですよね。じゃあ、社内システムにおけるCVRって何でしょう?
答えは「業務の完了率」です。
例えば、経費精算システムなら「申請完了」、営業支援ツールなら「顧客情報の登録完了」がコンバージョンにあたります。
UIが悪いと、この完了率が著しく下がるんです。「入力項目が多すぎて途中で諦めた」「どこに保存ボタンがあるか分からずデータが消えた」…心当たりありませんか?これらの「業務の未完了」こそが、UI改善で真っ先に解決すべき課題であり、改善効果を測る重要な指標になるわけです。
見て見ぬフリはもう限界。使いにくいUIがもたらす「3つの損失」
使いにくいUIは、ボディブローのようにジワジワと会社の体力を奪っていきます。具体的には、主に3つの大きな金銭的損失が発生しているんです。
人件費の損失
IDCの調査によると、知識労働者は勤務時間の約25%を情報検索に費しているとか。UIが悪いと、この時間はさらに膨れ上がります。1クリックで済む作業に5クリックかかっていたら?全従業員で考えたら、これはもう莫大な人件費の無駄遣いです。
ミスの誘発と手戻りコスト
複雑なUIは、単純な入力ミスや操作ミスを誘発します。その修正にかかる時間は、まさに「百害あって一利なし」。IEEEの研究では、開発後期での手戻りコストは、初期段階の100倍にもなると言われています。
教育コストの増大
新しい人が入るたびに、システムの複雑な使い方を教えるのに何時間もかけていませんか?直感的に使えるUIなら、この教育コストは大幅に削減できるはずです。
これが最強の武器!UI改善のROI算出フレームワーク
お待たせしました。いよいよ本題のROI算出方法です。難しく考える必要はありません。基本の式はこれだけ。
ROI (%) = (改善による利益額 – 投資額) ÷ 投資額 × 100
「利益」というと難しく感じますが、要は「どれだけコストを削減できたか」を金額換算すればOKです。UI改善プロジェクトにかかった費用(デザイン・開発費など)を「投資額」として、先ほどの「3つの損失」をどれだけ減らせたかを計算するのです。次のセクションで、この「利益額」を具体的にどうやって計算するのか、ステップバイステップで見ていきましょう。このフレームワークさえあれば、もう上司に「感覚的に必要だと思う」なんてフワッとした説明をする必要はありません。
「削減コスト」を見える化する、魔法の計算式

では、「削減コスト」を具体的な金額に落とし込んでみましょう。架空のA社(従業員100名、平均時給3,000円)を例に、簡単なシミュレーションをしてみます。
| 削減項目 | 計算方法 | シミュレーション結果 |
|---|---|---|
| 時間短縮コスト | 削減時間/日 × 稼働日数 × 対象人数 × 平均時給 | 10分/日 × 240日 × 100人 × 50円/分 = 年間1,200万円 |
| エラー削減コスト | 削減エラー数/月 × 修正時間 × 12ヶ月 × 平均時給 | 50件/月 × 15分 × 12ヶ月 × 50円/分 = 年間45万円 |
| 新人教育コスト | 削減教育時間 × 新入社員数 × 平均時給 | 5時間/人 × 10人 × 3,000円 = 年間15万円 |
こうして数字にしてみると、インパクトが全然違いますよね。特に時間短縮コストは効果絶大です。三菱電機が社内システム改善で年間24,000時間もの操作時間削減を見込んだという事例は、まさにこの効果の大きさを物語っています。こうした成果は、決して大企業だけのものではありません。例えば、私たちがご支援したBtoB向け業務管理ツールでは、情報設計の見直しと入力フォームの最適化によって、データ登録にかかる時間を平均30%削減、オペレーターの入力ミスを60%削減することに成功しました。あなたの会社でも、まずは簡単な試算から始めてみませんか?
ROIだけじゃない!UI改善がもたらす「隠れたボーナス」
実は、UI改善の効果は、直接的なコスト削減だけにとどまりません。従業員の働きやすさに直結するため、組織全体にポジティブな影響、いわば「隠れたボーナス」をもたらしてくれるんです。
- 従業員満足度(ES)の向上: 毎日の業務で使うツールが快適になれば、仕事のストレスは確実に減ります。ESの向上は、離職率の低下にも繋がる重要な経営課題ですよね。
- DX推進の土台作り: 全社的にDXを進めようとしても、足元の社内システムがボトルネックになっていては話になりません。使いやすいUIは、社員のITリテラシー向上を促し、より高度なDX施策への素地を作ります。
- 意思決定の迅速化: 必要なデータに誰もが素早くアクセスできる環境は、データに基づいた迅速な意思決定を可能にします。これは、変化の速い現代において、企業の競争力そのものと言えるでしょう。
まとめ:UI改善は、もはや「コスト」ではなく「戦略的投資」である
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。「社内システムのUI改善」が、単なる「お化粧」ではなく、企業の生産性を高め、コストを削減し、ひいては利益(EBITDA)にまで貢献する極めて重要な「戦略的投資」だということが、お分かりいただけたかと思います。Forrester Researchが「1ドルのUX投資は100ドルのリターンを生む」と分析しているのも、決して大げさな話ではないのです。
もう、「使いにくいのは仕方ない」「昔からこうだから」と諦めるのはやめにしませんか?まずはあなたの部署の小さな業務からでも構いません。今回ご紹介したフレームワークを使って、改善効果を試算し、そのポテンシャルを「数字」で示してみてください。「でも、具体的に何から始めれば…?」と思われた方へ。成功の鍵は、ユーザーの業務を深く理解するリサーチにあります。具体的な進め方はUI/UX改善の成功事例&失敗から学ぶポイントで詳しく解説していますので、ぜひ参考に。その小さな一歩が、会社全体を動かす大きな変革に繋がるかもしれません。
ROI試算から具体的なUI改善まで、専門家にお任せください
本記事のフレームワークで、UI改善の重要性はご理解いただけたかと思います。しかし、「自社だけで正確なROIを算出するのは難しい」「どこから手をつければ良いか分からない」と感じるのも当然です。
picks designでは、ビジネス成果に直結するUI/UXデザインを専門としています。現状分析から課題の洗い出し、具体的なROI試算、そして成果を出すためのUIデザインまで、一気通貫でサポートします。まずはお気軽にご相談ください。






