【業界/ジャンル別】アプリ離脱率の目安・平均を徹底解説

  • 2025.9.27
  • UI/UXアプリ離脱率
  • デザイン

なぜウチのアプリは使われない?担当者を悩ます「アプリ離脱率」の現実

「渾身のアプリをリリースしたのに、アクティブユーザーが全然増えない…」「広告費をかけて新規ユーザーを獲得しても、すぐにいなくなってしまう」。アプリ担当者の方なら、こんな悩みに頭を抱えた経験が一度はあるのではないでしょうか?かく言う私も、クライアントから同じような相談を本当によく受けます。

この問題の根っこにあるのが、今回テーマにする「アプリの離脱率」です。本記事では、よくある小手先の改善策を並べるのではなく、UI/UXデザインの専門家という視点から、「なぜユーザーは離れてしまうのか?」という根本原因を深掘りし、明日から考え方が変わるような本質的な改善のヒントをお届けします。まずは基本の「き」から、サクッとおさらいしましょう。

そもそもアプリ離脱率って何?リテンション率との関係性

「離脱率」と一言で言っても、実は人によって定義が微妙に違ったりします。ここでは、マーケティングの現場で話が食い違わないように、基本を整理しておきましょう。

アプリ離脱率(チャーンレート)とは、ざっくり言うと「特定の期間内にアプリの使用をやめてしまったユーザーの割合」のことです。計算式はシンプルで、一般的に以下の式で算出されます。

(期間内に離脱したユーザー数 ÷ 期間開始時の総ユーザー数) × 100

よく似た指標にリテンション率(継続率)がありますが、これは「アプリを使い続けてくれているユーザーの割合」を指し、離脱率とはコインの裏表の関係です。つまり、リテンション率 = 100% - 離脱率 となります。マーケティングの世界では、「いかにリテンション率を高めるか(=離脱率を下げるか)」が、LTV(顧客生涯価値)を最大化する上で死活問題になるわけですね。直帰率やアクティブ率など細かい指標はたくさんありますが、まずは「ユーザーが定着しているか」を示すこの2つをしっかり押さえておくことが重要です。

あなたのアプリは大丈夫?【業界・ジャンル別】離脱率の平均データ

「じゃあ、うちのアプリの離脱率は、業界的に見てどうなの?」…これが一番気になるところですよね。もちろん、アプリの特性やマネタイズ方法によって理想値は異なりますが、一般的な目安を知っておくことは非常に重要です。以下に、複数の調査データを基にした業界別の平均的な離脱率(ここではインストール後3ヶ月時点での離脱率)の目安をまとめてみました。

業界/ジャンル3ヶ月後の平均離脱率(目安)特徴
ゲーム(カジュアル)90% ~ 95%流行り廃りが激しく、飽きられやすい。トップ層は驚異的な継続率を誇る。
ゲーム(ミッドコア/RPG)85% ~ 90%熱中すると長く使われるが、最初のハードルが高い。コミュニティ形成が鍵。
EC/ショッピング80% ~ 85%セール時などの利用が中心。普段使いしてもらうための工夫が必要。
旅行・交通85% ~ 90%利用頻度が低いが、必要な時には必ず使われる。利便性が命。
金融/フィンテック75% ~ 80%一度定着するとスイッチングコストが高く、離脱しにくい。信頼性が最重要。
ヘルスケア/フィットネス80% ~ 85%モチベーション維持が難しく、習慣化させるためのUXが不可欠。
SNS/コミュニケーション70% ~ 80%ネットワーク効果が強く、一度定着すると非常に強い。乗り換え障壁が高い。

※本データは、data.ai (旧App Annie) や Repro 社などが公開している複数の業界レポートを参考に、一般的な目安として作成したものです。

いかがでしょうか?思ったより高いと感じたかもしれません。そう、ほとんどのアプリは、3ヶ月後には8割以上のユーザーに忘れ去られてしまうのが現実なんです。この厳しい現実を直視することから、本当の改善は始まります。

なぜユーザーは去るのか?UI/UXデザイナーが見抜く「本当の理由」

「離脱の原因は、バグが多いからだ」「プッシュ通知がしつこいからだ」…よく言われることですが、実はこれらは表面的な症状に過ぎません。デザイナーの視点から見ると、本当の原因はもっと根深い「体験設計(UX)の失敗」にあります。

例えば、ユーザーが離脱する根本原因は、大きく3つに分類できます。

  • 1. 価値が伝わらない(アハ・モーメントの不在)

    ユーザーが「このアプリ、最高じゃん!」と感じる瞬間(アハ・モーメント)を体験する前に、使い方を理解できず離脱してしまうケース。特に、最初の数分でこれを体験させられないオンボーディングは致命的です。

  • 2. 使うのが面倒くさい(認知的負荷の高さ)

    操作が直感的でなかったり、目的の機能にたどり着くまでのステップが多かったりすると、ユーザーは「考えること」に疲れてしまいます。この「認知的負荷」の高さが、静かにアプリを閉じさせるのです。

  • 3. 使う理由がなくなった(習慣化の失敗)

    最初は物珍しさで使っていても、日常生活に溶け込む「きっかけ」や「報酬」が設計されていないと、アプリを開くこと自体を忘れてしまいます。

結局のところ、ユーザーは「よく分からない」「面倒くさい」「忘れた」から離脱していく。この本質を見抜かない限り、いくら機能を追加しても、プッシュ通知の文面を変えても、根本的な解決には至らないのです。

UXの重要性をもっと深く学ぶならアプリUXの重要性とは?ユーザーの行動を変える力を考えるの記事もおすすめです。

離脱を止める最重要ポイントは「最初の1分」の体験設計にあり

ユーザーが離脱するかどうか、その運命のほとんどは「オンボーディング」、つまりアプリを最初に起動してから価値を体験するまでの数分間で決まります。競合の記事では軽く触れられる程度ですが、私たちはここが最も重要だと考えています。

ダメなオンボーディングの典型は、機能説明のチュートリアルを延々と見せるタイプ。ユーザーは「勉強」しに来たわけではありません。いきなり教室に押し込まれたら、誰だって逃げたくなりますよね?

優れたオンボーディングは、ユーザーに「行動」させます。例えば、

  • タスク管理アプリなら:最初に1つだけダミーのタスクを登録させ、「完了」ボタンを押す気持ちよさを体験させる。
  • ECアプリなら:いきなり会員登録を迫るのではなく、まずは商品をいくつか「お気に入り」登録してもらい、パーソナライズされた体験の片鱗を見せる。

このように、最小限のステップで「お、このアプリいいかも」という「アハ・体験」を届けること。これが、ユーザーを惹きつけ、その後の継続利用に繋げるための、何より強力な一手になるのです。もし改善のメスを入れるなら、まずここから着手すべきです。

リテンション率を体系的に理解するなら今さら聞けないアプリリテンションとは?初心者でも分かる仕組みと重要性初心者でも分かる!アプリ継続率の計算方法と高める秘訣の記事もおすすめです。

【事例に学ぶ】デザイナー視点の具体的な離脱率改善アプローチ

では、オンボーディング以外にどこから手をつければいいのか?リソースは有限ですから、優先順位が重要です。ここでは、私たちが実際のプロジェクトで重視している改善アプローチを、事例を交えてご紹介します。

  1. 1 徹底的な情報整理とUIの一貫性担保 機能が増えるほどアプリは複雑になり、ユーザーを混乱させます。まずは「このボタンは何?」「どこを押せばいい?」という迷いを徹底的に排除すること。UIの一貫性を保つ「デザインシステム」の構築は、特に大規模アプリにおいて離脱防止の強力な武器になります。
  2. 2 「何もない」状態のUXデザイン 初めて使う時やデータが空っぽの時、画面に「データがありません」と表示するだけでは不親切です。次に何をすればいいのかを優しく導くイラストやメッセージ(=エンプティステート)をデザインすることで、ユーザーの離脱を防ぎ、次のアクションを促せます。
  3. 3 価値ある体験への最短ルート設計弊社がUI/UXデザインを担当したある大手エンターテインメント系の公式アプリでは、「お得なクーポンをスムーズに使える」というユーザーにとっての最大の価値を、誰もが直感的に体験できるよう情報設計を最適化しました。価値ある体験への道のりが短ければ短いほど、ユーザーは定着してくれる――この取り組みはその好例です。

これらの改善は、ユーザー体験の本質に関わる部分。だからこそ、効果も大きいのです。

数字の向こう側を見る。GA4だけでは分からない離脱のサイン

もちろん、離脱率を改善するには、現状を正しく計測・分析することが不可欠です。GA4 (Google Analytics 4) などのツールを使えば、どの画面でユーザーが離脱しているか、といった定量的なデータは簡単に取得できます。主要なKPIであるCPI(顧客獲得単価)や継続率と合わせて定点観測する仕組みは必須でしょう。

しかし、本当に重要なのは「なぜその画面で離脱したのか?」という理由です。データは「何が起きたか」を教えてくれますが、「なぜ起きたか」は教えてくれません。その「なぜ」を明らかにするには、

  • ユーザーインタビュー: 実際にユーザーにアプリを操作してもらい、つまずいた点や感情を直接ヒアリングする。
  • ヒートマップ分析: 画面のどこがタップされているか、どこまでスクロールされているかを可視化する。
  • レビュー分析: App Storeなどのレビューに書かれたユーザーの生の声に耳を傾ける。

といった定性的な分析が不可欠です。数字だけを追いかけていると、ユーザーの心の動きを見失ってしまいます。データと対話の両輪で、初めて深いインサイトが得られるのです。

離脱率改善に役立つ分析方法を知りたい方はアプリ分析手法完全ガイドの記事もおすすめです。

まとめ:離脱率改善とは、ユーザーと真摯に向き合うこと

ここまで、アプリの離脱率について、その平均から原因、そして具体的な改善策までをデザイナーの視点で解説してきました。重要なポイントを改めて整理しましょう。

  • 現実を知る: ほとんどのアプリは3ヶ月で8割以上のユーザーに離脱されるのが現実。
  • 根本原因を理解する: 離脱の真の原因はUX設計の失敗にある。
  • 最優先はオンボーディング: ユーザーが定着するかは「最初の1分」で決まる。
  • データと対話の両輪: 定量データに加え、定性分析で「なぜ」を深掘りする。

結局のところ、離脱率を下げるというのは、小手先のテクニック論ではありません。それは、「自分たちのアプリは、ユーザーにどんな価値を提供できるのか?」という問いに、デザインと機能の両面から真摯に向き合い、その答えを分かりやすく、気持ちよく体験として届ける活動そのものなのです。

もし、皆さんのチームだけで解決するのが難しいと感じたら、ぜひ一度、私たちのようなUXの専門家にご相談ください。きっと、新しい視点が見つかるはずです。

UIUXデザイン実績
  • 2025.9.27
  • UI/UXアプリ離脱率
  • デザイン

なぜウチのアプリは使われない?担当者を悩ます「アプリ離脱率」の現実

「渾身のアプリをリリースしたのに、アクティブユーザーが全然増えない…」「広告費をかけて新規ユーザーを獲得しても、すぐにいなくなってしまう」。アプリ担当者の方なら、こんな悩みに頭を抱えた経験が一度はあるのではないでしょうか?かく言う私も、クライアントから同じような相談を本当によく受けます。

この問題の根っこにあるのが、今回テーマにする「アプリの離脱率」です。本記事では、よくある小手先の改善策を並べるのではなく、UI/UXデザインの専門家という視点から、「なぜユーザーは離れてしまうのか?」という根本原因を深掘りし、明日から考え方が変わるような本質的な改善のヒントをお届けします。まずは基本の「き」から、サクッとおさらいしましょう。

そもそもアプリ離脱率って何?リテンション率との関係性

「離脱率」と一言で言っても、実は人によって定義が微妙に違ったりします。ここでは、マーケティングの現場で話が食い違わないように、基本を整理しておきましょう。

アプリ離脱率(チャーンレート)とは、ざっくり言うと「特定の期間内にアプリの使用をやめてしまったユーザーの割合」のことです。計算式はシンプルで、一般的に以下の式で算出されます。

(期間内に離脱したユーザー数 ÷ 期間開始時の総ユーザー数) × 100

よく似た指標にリテンション率(継続率)がありますが、これは「アプリを使い続けてくれているユーザーの割合」を指し、離脱率とはコインの裏表の関係です。つまり、リテンション率 = 100% - 離脱率 となります。マーケティングの世界では、「いかにリテンション率を高めるか(=離脱率を下げるか)」が、LTV(顧客生涯価値)を最大化する上で死活問題になるわけですね。直帰率やアクティブ率など細かい指標はたくさんありますが、まずは「ユーザーが定着しているか」を示すこの2つをしっかり押さえておくことが重要です。

あなたのアプリは大丈夫?【業界・ジャンル別】離脱率の平均データ

「じゃあ、うちのアプリの離脱率は、業界的に見てどうなの?」…これが一番気になるところですよね。もちろん、アプリの特性やマネタイズ方法によって理想値は異なりますが、一般的な目安を知っておくことは非常に重要です。以下に、複数の調査データを基にした業界別の平均的な離脱率(ここではインストール後3ヶ月時点での離脱率)の目安をまとめてみました。

業界/ジャンル3ヶ月後の平均離脱率(目安)特徴
ゲーム(カジュアル)90% ~ 95%流行り廃りが激しく、飽きられやすい。トップ層は驚異的な継続率を誇る。
ゲーム(ミッドコア/RPG)85% ~ 90%熱中すると長く使われるが、最初のハードルが高い。コミュニティ形成が鍵。
EC/ショッピング80% ~ 85%セール時などの利用が中心。普段使いしてもらうための工夫が必要。
旅行・交通85% ~ 90%利用頻度が低いが、必要な時には必ず使われる。利便性が命。
金融/フィンテック75% ~ 80%一度定着するとスイッチングコストが高く、離脱しにくい。信頼性が最重要。
ヘルスケア/フィットネス80% ~ 85%モチベーション維持が難しく、習慣化させるためのUXが不可欠。
SNS/コミュニケーション70% ~ 80%ネットワーク効果が強く、一度定着すると非常に強い。乗り換え障壁が高い。

※本データは、data.ai (旧App Annie) や Repro 社などが公開している複数の業界レポートを参考に、一般的な目安として作成したものです。

いかがでしょうか?思ったより高いと感じたかもしれません。そう、ほとんどのアプリは、3ヶ月後には8割以上のユーザーに忘れ去られてしまうのが現実なんです。この厳しい現実を直視することから、本当の改善は始まります。

なぜユーザーは去るのか?UI/UXデザイナーが見抜く「本当の理由」

「離脱の原因は、バグが多いからだ」「プッシュ通知がしつこいからだ」…よく言われることですが、実はこれらは表面的な症状に過ぎません。デザイナーの視点から見ると、本当の原因はもっと根深い「体験設計(UX)の失敗」にあります。

例えば、ユーザーが離脱する根本原因は、大きく3つに分類できます。

  • 1. 価値が伝わらない(アハ・モーメントの不在)

    ユーザーが「このアプリ、最高じゃん!」と感じる瞬間(アハ・モーメント)を体験する前に、使い方を理解できず離脱してしまうケース。特に、最初の数分でこれを体験させられないオンボーディングは致命的です。

  • 2. 使うのが面倒くさい(認知的負荷の高さ)

    操作が直感的でなかったり、目的の機能にたどり着くまでのステップが多かったりすると、ユーザーは「考えること」に疲れてしまいます。この「認知的負荷」の高さが、静かにアプリを閉じさせるのです。

  • 3. 使う理由がなくなった(習慣化の失敗)

    最初は物珍しさで使っていても、日常生活に溶け込む「きっかけ」や「報酬」が設計されていないと、アプリを開くこと自体を忘れてしまいます。

結局のところ、ユーザーは「よく分からない」「面倒くさい」「忘れた」から離脱していく。この本質を見抜かない限り、いくら機能を追加しても、プッシュ通知の文面を変えても、根本的な解決には至らないのです。

UXの重要性をもっと深く学ぶならアプリUXの重要性とは?ユーザーの行動を変える力を考えるの記事もおすすめです。

離脱を止める最重要ポイントは「最初の1分」の体験設計にあり

ユーザーが離脱するかどうか、その運命のほとんどは「オンボーディング」、つまりアプリを最初に起動してから価値を体験するまでの数分間で決まります。競合の記事では軽く触れられる程度ですが、私たちはここが最も重要だと考えています。

ダメなオンボーディングの典型は、機能説明のチュートリアルを延々と見せるタイプ。ユーザーは「勉強」しに来たわけではありません。いきなり教室に押し込まれたら、誰だって逃げたくなりますよね?

優れたオンボーディングは、ユーザーに「行動」させます。例えば、

  • タスク管理アプリなら:最初に1つだけダミーのタスクを登録させ、「完了」ボタンを押す気持ちよさを体験させる。
  • ECアプリなら:いきなり会員登録を迫るのではなく、まずは商品をいくつか「お気に入り」登録してもらい、パーソナライズされた体験の片鱗を見せる。

このように、最小限のステップで「お、このアプリいいかも」という「アハ・体験」を届けること。これが、ユーザーを惹きつけ、その後の継続利用に繋げるための、何より強力な一手になるのです。もし改善のメスを入れるなら、まずここから着手すべきです。

リテンション率を体系的に理解するなら今さら聞けないアプリリテンションとは?初心者でも分かる仕組みと重要性初心者でも分かる!アプリ継続率の計算方法と高める秘訣の記事もおすすめです。

【事例に学ぶ】デザイナー視点の具体的な離脱率改善アプローチ

では、オンボーディング以外にどこから手をつければいいのか?リソースは有限ですから、優先順位が重要です。ここでは、私たちが実際のプロジェクトで重視している改善アプローチを、事例を交えてご紹介します。

  1. 1 徹底的な情報整理とUIの一貫性担保 機能が増えるほどアプリは複雑になり、ユーザーを混乱させます。まずは「このボタンは何?」「どこを押せばいい?」という迷いを徹底的に排除すること。UIの一貫性を保つ「デザインシステム」の構築は、特に大規模アプリにおいて離脱防止の強力な武器になります。
  2. 2 「何もない」状態のUXデザイン 初めて使う時やデータが空っぽの時、画面に「データがありません」と表示するだけでは不親切です。次に何をすればいいのかを優しく導くイラストやメッセージ(=エンプティステート)をデザインすることで、ユーザーの離脱を防ぎ、次のアクションを促せます。
  3. 3 価値ある体験への最短ルート設計弊社がUI/UXデザインを担当したある大手エンターテインメント系の公式アプリでは、「お得なクーポンをスムーズに使える」というユーザーにとっての最大の価値を、誰もが直感的に体験できるよう情報設計を最適化しました。価値ある体験への道のりが短ければ短いほど、ユーザーは定着してくれる――この取り組みはその好例です。

これらの改善は、ユーザー体験の本質に関わる部分。だからこそ、効果も大きいのです。

数字の向こう側を見る。GA4だけでは分からない離脱のサイン

もちろん、離脱率を改善するには、現状を正しく計測・分析することが不可欠です。GA4 (Google Analytics 4) などのツールを使えば、どの画面でユーザーが離脱しているか、といった定量的なデータは簡単に取得できます。主要なKPIであるCPI(顧客獲得単価)や継続率と合わせて定点観測する仕組みは必須でしょう。

しかし、本当に重要なのは「なぜその画面で離脱したのか?」という理由です。データは「何が起きたか」を教えてくれますが、「なぜ起きたか」は教えてくれません。その「なぜ」を明らかにするには、

  • ユーザーインタビュー: 実際にユーザーにアプリを操作してもらい、つまずいた点や感情を直接ヒアリングする。
  • ヒートマップ分析: 画面のどこがタップされているか、どこまでスクロールされているかを可視化する。
  • レビュー分析: App Storeなどのレビューに書かれたユーザーの生の声に耳を傾ける。

といった定性的な分析が不可欠です。数字だけを追いかけていると、ユーザーの心の動きを見失ってしまいます。データと対話の両輪で、初めて深いインサイトが得られるのです。

離脱率改善に役立つ分析方法を知りたい方はアプリ分析手法完全ガイドの記事もおすすめです。

まとめ:離脱率改善とは、ユーザーと真摯に向き合うこと

ここまで、アプリの離脱率について、その平均から原因、そして具体的な改善策までをデザイナーの視点で解説してきました。重要なポイントを改めて整理しましょう。

  • 現実を知る: ほとんどのアプリは3ヶ月で8割以上のユーザーに離脱されるのが現実。
  • 根本原因を理解する: 離脱の真の原因はUX設計の失敗にある。
  • 最優先はオンボーディング: ユーザーが定着するかは「最初の1分」で決まる。
  • データと対話の両輪: 定量データに加え、定性分析で「なぜ」を深掘りする。

結局のところ、離脱率を下げるというのは、小手先のテクニック論ではありません。それは、「自分たちのアプリは、ユーザーにどんな価値を提供できるのか?」という問いに、デザインと機能の両面から真摯に向き合い、その答えを分かりやすく、気持ちよく体験として届ける活動そのものなのです。

もし、皆さんのチームだけで解決するのが難しいと感じたら、ぜひ一度、私たちのようなUXの専門家にご相談ください。きっと、新しい視点が見つかるはずです。

UIUXデザイン実績