UIUX発注のベストプラクティス:失敗しない外部委託の全工程と5つの成功基準

  • 2025.4.19
  • UIUX発注ベストプラクティス基準外部委託
  • デザイン
  • 新規事業

UIUXデザイン外注の現状と失敗しない準備の重要性

「デザインを外注したのに思っていた結果と違った…」

こんな経験、ありませんか?私自身、マーケティング部門でUIUX外注を担当した当初は、このような失敗を何度も繰り返しました。予算と時間を投じたのに期待した成果が得られないというのは、正直かなりつらい経験です。

デジタルシフトが進む中、多くの企業がUI/UXデザインの重要性を認識していますが、内製化の難しさから外部委託を選ぶケースが増えています。実際、UI/UXデザインを外部委託している企業は増加傾向にあり、専門知識を活かすことで高品質な成果を得ることが可能です。

しかし、発注側と受注側の認識のズレ、曖昧な要件定義、コミュニケーション不足などにより、プロジェクトが頓挫するケースも少なくありません。特に初めての発注では、「何をどう伝えればいいのか」という基本的なところで戸惑うことも多いはずです。

本記事では、UIUXデザイン発注の準備段階から納品・評価までの全工程を、実際の失敗事例とその解決策を交えながら解説します。ぜひ最後までお付き合いください!

成功するUIUX発注の5つの基準と事前準備のポイント

UIUXデザインの外部発注で成功するには、発注前の準備が9割といっても過言ではありません。私が数十件のUIUX発注を経験して編み出した「成功の5つの基準」をまずはお伝えします。

【UIUX発注成功の5つの基準】

基準具体的なチェックポイント
①目的の明確化・ビジネス目標との紐付け
・具体的なKPIの設定
・ユーザー課題の言語化
②適切なパートナー選定・実績とポートフォリオの精査
・類似プロジェクト経験の有無
・コミュニケーション相性
③詳細な要件定義・機能要件の明文化
・デザイン参考例の提示
・優先順位の明確化
④明確な評価基準・定量/定性指標の設定
・ユーザーテスト計画
・改善サイクルの設計
⑤効果的なコミュニケーション・レビュープロセスの確立
・定期ミーティングの設定
・決定権者の明確化

「百聞は一見にしかず」というように、実際に成功した発注プロジェクトでは、これらの基準が徹底されていました。特に初めての発注では、①の目的明確化と③の要件定義が不十分なケースが多いです。

「とりあえずカッコいいデザインを」という漠然とした依頼では、満足のいく結果は得られません。次のセクションでは、目的を明確にするための具体的な手法をご紹介します。

UIUX発注前の目的・ゴール設定とブリーフ作成の実践ガイド

「なんとなくUIUXを良くしたい」から一歩進んで、具体的な目的設定をしましょう。これが発注成功の第一歩です。

目的設定のためのワークシート例

項目記入例あなたの記入欄
主要なビジネス目標新規ユーザー獲得数10%増加
デザイン改善の狙い登録完了率の向上(現状40%→目標65%)
ターゲットユーザー30-45歳の共働き子育て世代
解決したいユーザー課題初回登録時の入力項目が多すぎて離脱
競合との差別化ポイントパーソナライズ機能の使いやすさ

私が実際に使用しているこのワークシートを埋めることで、「なぜUIUXデザインを改善するのか」という本質的な目的が明確になります。先日あるECサイトのリニューアルプロジェクトで、このワークシートを使ったところ、デザイナーからも「発注意図が非常に明確で取り組みやすかった」というフィードバックをいただきました。

ワークシートを完成させたら、次はそれを「デザインブリーフ」としてまとめます。ブリーフには以下の要素を含めましょう:

  1. プロジェクト概要とビジネス背景
  2. ターゲットユーザーの詳細(ペルソナがあれば最適)
  3. 解決したい具体的な課題
  4. KPIと成功の定義
  5. プロジェクトのスコープとデリバラブル
  6. タイムラインと主要マイルストーン
  7. 予算感(可能であれば)
  8. デザイン参考例やトーン&マナー

「え、こんなに詳細に準備するの?」と思われるかもしれませんが、この準備が後々の認識齟齬を防ぎ、修正の手間を大幅に減らします。「準備に時間をかけすぎて発注が遅れる」というジレンマもよく聞きますが、ここは要点を絞って2〜3時間で完成させるのがコツです。

最適なUIUXデザインパートナーの選定基準と見積もり評価法

目的と要件が明確になったら、次は適切なパートナー選びです。でも、どうやって選べばいいの?という声をよく聞きます。私も最初は「とりあえず大手に頼めば安心」と思っていましたが、必ずしもそうではないことを学びました。

パートナー選定の評価マトリックス

評価項目重要度評価ポイント
ポートフォリオ品質★★★・視覚的な魅力だけでなく、課題解決力を評価
・類似業界/プロジェクトの実績確認
UXリサーチ能力★★★・リサーチ手法の多様性
・データに基づく設計プロセスの有無
コミュニケーション力★★★・質問の的確さ
・非デザイナーへの説明スキル
チーム構成★★・専門分野の多様性
・プロジェクト専任メンバーの有無
価格設定★★・明細の透明性
・追加コストの条件
納期遵守の実績★★・過去プロジェクトの納期実績
・遅延時の対応方針
アフターサポート・修正対応の範囲
・保守契約の有無

最近、あるスタートアップの代表から「デザイン会社を3社比較したけど、どこも一長一短で決められない」という相談を受けました。そこでこのマトリックスを使って各社を点数化したところ、明確な違いが見えてきて、最適なパートナーを選ぶことができました。

見積もり評価のときには、単純な金額比較ではなく、以下のポイントをチェックしましょう:

  1. 工程の明細化:「デザイン一式」ではなく、リサーチ・ワイヤーフレーム・UIデザインなど工程ごとの内訳があるか
  2. 修正回数の明記:無制限なのか、回数制限があるのか
  3. 追加費用の発生条件:スコープ変更時の追加料金算出方法
  4. 支払い条件:前払い・中間払い・後払いの比率

一番安いからといって飛びつくのではなく、「なぜその価格設定なのか」を質問してみると、会社の考え方や進め方が見えてきますよ。

UIUXデザイン契約時の注意点と知的財産権の取り扱い

「契約書なんて形式的なものでしょ?」

これ、私が最初に犯した大きな失敗の元です。デザイン発注での契約トラブルは意外と多く、後々のビジネス展開に影響することもあります。特に注意すべきは知的財産権の取り扱いです。

UIUX発注契約の重要チェックポイント

契約項目重要ポイント要注意ケース
著作権の帰属デザイン成果物の著作権が発注元に移転するか制作会社に著作権が残り、他案件で再利用される可能性
二次利用の権利Webからアプリへなど、他メディアへの展開可否追加料金なしで他メディア展開できるか確認
修正権利の範囲納品後の修正対応期間と範囲「軽微な修正のみ」という曖昧な表現に注意
機密保持条項自社情報・ユーザーデータの取扱い類似競合企業への同時対応禁止条項の有無
第三者素材の扱い写真・イラスト・フォントなどの使用権利ストック素材のライセンス期間と追加費用の確認

先日、あるクライアントが「デザインは自由に使えると思ったのに、印刷物への展開に別途料金を請求された」とトラブルになったケースがありました。契約書に「Webサイト用デザインの制作」としか記載がなく、他メディアへの展開権が含まれていなかったのが原因でした。

契約書のチェックは面倒ですが、以下のような実践的な対応がおすすめです:

  • 契約書テンプレートを事前に法務部門や顧問弁護士にチェックしてもらう
  • 特に重要な権利関係は口頭確認だけでなく、メールでの確認も残す
  • 「当然含まれていると思った」という認識違いを防ぐため、具体的なユースケースを伝える

「堅苦しくなりそう…」という懸念もあるかもしれませんが、むしろ契約内容を明確にすることで、お互いに安心してクリエイティブな議論に集中できるんですよ。私の経験では、契約条件の交渉に応じない・曖昧にする会社とは、プロジェクト進行中も問題が発生しやすい傾向があります。

UIUX発注プロジェクトの進行管理と効果的なフィードバック手法

契約も済み、いよいよプロジェクトがスタート!…でも、ここからが実は一番難しいんです。「進捗状況がわからない」「意図が伝わらない」といった問題が頻発します。私も以前は「プロに任せたのだから口出ししない方がいい」と思っていましたが、それが大きな誤解でした。

効果的なプロジェクト管理のためのフレームワーク

フェーズ確認ポイントコミュニケーション頻度
キックオフ・プロジェクト目標の共有
・コミュニケーション方法の確認
・決裁フローの明確化
1回(対面または長時間Web会議)
リサーチ期間・調査方法の妥当性
・インタビュー対象者の選定
・競合分析の範囲
週1回のステータス会議
コンセプト設計・複数のコンセプト案提示
・選定理由の明確な説明
・ビジネス目標との整合性
隔週でレビュー会議
ワイヤーフレーム・主要機能の動線確認
・情報設計の妥当性
・技術的実現可能性
重要画面ごとにレビュー
ビジュアルデザイン・ブランドガイドラインとの整合性
・デバイス間の一貫性
・アクセシビリティへの配慮
週1回のデザインレビュー

「こんなに会議をするの?」と思われるかもしれませんが、コツは「短く、頻繁に」です。私の経験では、1回2時間の会議より、30分の会議を週2回行う方が効果的です。

建設的なフィードバックを出すコツ

最も重要なのがフィードバックの質です。「なんとなく違和感がある」では伝わりません。具体的なフィードバック例を比較してみましょう:

悪い例: “このデザインは好きじゃありません。もっとモダンな感じにしてください。”

良い例: “このボタンの配色が当社ブランドカラーと異なっています。また、カート追加ボタンは画面上部にも配置した方が、ユーザーテストの結果から購入率が上がると考えられます。”

建設的なフィードバックの3原則は:

  1. 具体的な箇所を指摘する
  2. なぜそう思うのか理由を添える
  3. 可能であれば代替案を提示する

ある新規アプリ開発では、チーム内でこのフィードバック原則を共有した結果、修正回数が平均40%減少し、スケジュール通りのローンチを実現できました。

プロトタイプ評価とユーザーテストの実施方法

デザインが形になってきたら、次は「本当にユーザーにとって使いやすいのか」という検証段階です。私がよく見る失敗は、「社内の意見だけで判断してしまう」ケースです。いくら社内でOKを出しても、実際のユーザーが使えないデザインでは意味がありません。

効果的なユーザーテスト実施法

テスト種類適したタイミング参加者数の目安特徴
ゲリラテスト初期プロトタイプ段階3-5人・カフェなどで短時間実施
・基本的な使いやすさの確認
モデレートテスト詳細デザイン段階5-8人・事前に選定した参加者でじっくり検証
・詳細な行動観察と定性評価
リモートテストどの段階でも可15-30人・オンラインツールで広範囲に実施
・定量データ収集に強み
A/Bテストリリース前後数百〜数千人・複数バージョンの比較検証
・実際のコンバージョン改善率を測定

「ユーザーテストって大変そう…」というイメージがあるかもしれませんが、小規模なら半日で実施可能です。先日あるクライアントのECサイトで、社員の家族5人に依頼して簡易テストを実施したところ、「カートに追加」ボタンの位置が分かりづらいという重大な問題が発見できました。

テスト結果の効果的な活用法

テスト結果を効果的にデザイナーに伝えるために、以下のフォーマットが役立ちます:

  1. 発見した問題点:具体的な現象とその深刻度
  2. 影響を受けるユーザー:どのようなユーザーが、どのようなシーンで困るか
  3. 根本原因の推測:なぜその問題が起きていると考えられるか
  4. 改善案の提案:具体的な修正アイデア(複数あれば尚良い)

「でもこれって発注先の仕事では?」と思うかもしれませんが、テスト結果の解釈と方向性の提示は発注側の重要な役割です。最終的なデザイン解決策はプロに委ねつつも、問題の本質を共有することで、より的確な改善が可能になります。

UIUXデザイン納品後の評価と継続的改善プロセス

ついに完成したデザイン。ここで終わり…ではありません!実はここからが本当の勝負です。せっかく良いデザインができても、きちんと評価・改善サイクルを回さなければ、投資対効果を最大化できません。

デザイン効果測定の3つのアプローチ

評価手法測定指標例測定タイミング
定量分析・コンバージョン率
・離脱率
・ページ滞在時間
・クリック率
リリース前後で比較
定性評価・NPS(推奨度)
・SUS(使いやすさ)
・カスタマーサポート問い合わせ内容
リリース1ヶ月後
長期トラッキング・リピート率
・解約率
・顧客生涯価値
3ヶ月、6ヶ月、1年後

私が関わったあるサブスクリプションサービスでは、UIUXリニューアル後に定量・定性両面で評価を実施。すると、新規登録は35%増加したものの、既存ユーザーからは「慣れた使い方ができなくなった」という不満の声が多数寄せられました。この結果を受けて、新旧UIの切り替え機能を追加実装したところ、ユーザー満足度が大幅に改善しました。

継続的な改善のためのフレームワーク

効果的なUIUX改善には、以下のサイクルを確立することをお勧めします:

  1. 観察(Observe): アナリティクスデータやユーザーフィードバックの収集
  2. 分析(Analyze): 課題箇所と改善機会の特定
  3. 仮説(Hypothesize): 改善案の立案と効果予測
  4. テスト(Test): 小規模な改善の実施と効果検証
  5. 実装(Implement): 効果が確認できた改善の本格展開

このサイクルを回すことで、大きなリニューアルを頻繁に行う必要なく、継続的に体験を向上させることができます。

最後に、もしあなたが初めてのUIUX発注を検討されているなら、ぜひ専門家のサポートを検討してみてください。当社では発注支援サービスを提供しており、要件定義からベンダー選定、プロジェクト管理までトータルでサポートしています。まずは無料相談から始めてみませんか?お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

無料相談
  • 2025.4.19
  • UIUX発注ベストプラクティス基準外部委託
  • デザイン
  • 新規事業

UIUXデザイン外注の現状と失敗しない準備の重要性

「デザインを外注したのに思っていた結果と違った…」

こんな経験、ありませんか?私自身、マーケティング部門でUIUX外注を担当した当初は、このような失敗を何度も繰り返しました。予算と時間を投じたのに期待した成果が得られないというのは、正直かなりつらい経験です。

デジタルシフトが進む中、多くの企業がUI/UXデザインの重要性を認識していますが、内製化の難しさから外部委託を選ぶケースが増えています。実際、UI/UXデザインを外部委託している企業は増加傾向にあり、専門知識を活かすことで高品質な成果を得ることが可能です。

しかし、発注側と受注側の認識のズレ、曖昧な要件定義、コミュニケーション不足などにより、プロジェクトが頓挫するケースも少なくありません。特に初めての発注では、「何をどう伝えればいいのか」という基本的なところで戸惑うことも多いはずです。

本記事では、UIUXデザイン発注の準備段階から納品・評価までの全工程を、実際の失敗事例とその解決策を交えながら解説します。ぜひ最後までお付き合いください!

成功するUIUX発注の5つの基準と事前準備のポイント

UIUXデザインの外部発注で成功するには、発注前の準備が9割といっても過言ではありません。私が数十件のUIUX発注を経験して編み出した「成功の5つの基準」をまずはお伝えします。

【UIUX発注成功の5つの基準】

基準具体的なチェックポイント
①目的の明確化・ビジネス目標との紐付け
・具体的なKPIの設定
・ユーザー課題の言語化
②適切なパートナー選定・実績とポートフォリオの精査
・類似プロジェクト経験の有無
・コミュニケーション相性
③詳細な要件定義・機能要件の明文化
・デザイン参考例の提示
・優先順位の明確化
④明確な評価基準・定量/定性指標の設定
・ユーザーテスト計画
・改善サイクルの設計
⑤効果的なコミュニケーション・レビュープロセスの確立
・定期ミーティングの設定
・決定権者の明確化

「百聞は一見にしかず」というように、実際に成功した発注プロジェクトでは、これらの基準が徹底されていました。特に初めての発注では、①の目的明確化と③の要件定義が不十分なケースが多いです。

「とりあえずカッコいいデザインを」という漠然とした依頼では、満足のいく結果は得られません。次のセクションでは、目的を明確にするための具体的な手法をご紹介します。

UIUX発注前の目的・ゴール設定とブリーフ作成の実践ガイド

「なんとなくUIUXを良くしたい」から一歩進んで、具体的な目的設定をしましょう。これが発注成功の第一歩です。

目的設定のためのワークシート例

項目記入例あなたの記入欄
主要なビジネス目標新規ユーザー獲得数10%増加
デザイン改善の狙い登録完了率の向上(現状40%→目標65%)
ターゲットユーザー30-45歳の共働き子育て世代
解決したいユーザー課題初回登録時の入力項目が多すぎて離脱
競合との差別化ポイントパーソナライズ機能の使いやすさ

私が実際に使用しているこのワークシートを埋めることで、「なぜUIUXデザインを改善するのか」という本質的な目的が明確になります。先日あるECサイトのリニューアルプロジェクトで、このワークシートを使ったところ、デザイナーからも「発注意図が非常に明確で取り組みやすかった」というフィードバックをいただきました。

ワークシートを完成させたら、次はそれを「デザインブリーフ」としてまとめます。ブリーフには以下の要素を含めましょう:

  1. プロジェクト概要とビジネス背景
  2. ターゲットユーザーの詳細(ペルソナがあれば最適)
  3. 解決したい具体的な課題
  4. KPIと成功の定義
  5. プロジェクトのスコープとデリバラブル
  6. タイムラインと主要マイルストーン
  7. 予算感(可能であれば)
  8. デザイン参考例やトーン&マナー

「え、こんなに詳細に準備するの?」と思われるかもしれませんが、この準備が後々の認識齟齬を防ぎ、修正の手間を大幅に減らします。「準備に時間をかけすぎて発注が遅れる」というジレンマもよく聞きますが、ここは要点を絞って2〜3時間で完成させるのがコツです。

最適なUIUXデザインパートナーの選定基準と見積もり評価法

目的と要件が明確になったら、次は適切なパートナー選びです。でも、どうやって選べばいいの?という声をよく聞きます。私も最初は「とりあえず大手に頼めば安心」と思っていましたが、必ずしもそうではないことを学びました。

パートナー選定の評価マトリックス

評価項目重要度評価ポイント
ポートフォリオ品質★★★・視覚的な魅力だけでなく、課題解決力を評価
・類似業界/プロジェクトの実績確認
UXリサーチ能力★★★・リサーチ手法の多様性
・データに基づく設計プロセスの有無
コミュニケーション力★★★・質問の的確さ
・非デザイナーへの説明スキル
チーム構成★★・専門分野の多様性
・プロジェクト専任メンバーの有無
価格設定★★・明細の透明性
・追加コストの条件
納期遵守の実績★★・過去プロジェクトの納期実績
・遅延時の対応方針
アフターサポート・修正対応の範囲
・保守契約の有無

最近、あるスタートアップの代表から「デザイン会社を3社比較したけど、どこも一長一短で決められない」という相談を受けました。そこでこのマトリックスを使って各社を点数化したところ、明確な違いが見えてきて、最適なパートナーを選ぶことができました。

見積もり評価のときには、単純な金額比較ではなく、以下のポイントをチェックしましょう:

  1. 工程の明細化:「デザイン一式」ではなく、リサーチ・ワイヤーフレーム・UIデザインなど工程ごとの内訳があるか
  2. 修正回数の明記:無制限なのか、回数制限があるのか
  3. 追加費用の発生条件:スコープ変更時の追加料金算出方法
  4. 支払い条件:前払い・中間払い・後払いの比率

一番安いからといって飛びつくのではなく、「なぜその価格設定なのか」を質問してみると、会社の考え方や進め方が見えてきますよ。

UIUXデザイン契約時の注意点と知的財産権の取り扱い

「契約書なんて形式的なものでしょ?」

これ、私が最初に犯した大きな失敗の元です。デザイン発注での契約トラブルは意外と多く、後々のビジネス展開に影響することもあります。特に注意すべきは知的財産権の取り扱いです。

UIUX発注契約の重要チェックポイント

契約項目重要ポイント要注意ケース
著作権の帰属デザイン成果物の著作権が発注元に移転するか制作会社に著作権が残り、他案件で再利用される可能性
二次利用の権利Webからアプリへなど、他メディアへの展開可否追加料金なしで他メディア展開できるか確認
修正権利の範囲納品後の修正対応期間と範囲「軽微な修正のみ」という曖昧な表現に注意
機密保持条項自社情報・ユーザーデータの取扱い類似競合企業への同時対応禁止条項の有無
第三者素材の扱い写真・イラスト・フォントなどの使用権利ストック素材のライセンス期間と追加費用の確認

先日、あるクライアントが「デザインは自由に使えると思ったのに、印刷物への展開に別途料金を請求された」とトラブルになったケースがありました。契約書に「Webサイト用デザインの制作」としか記載がなく、他メディアへの展開権が含まれていなかったのが原因でした。

契約書のチェックは面倒ですが、以下のような実践的な対応がおすすめです:

  • 契約書テンプレートを事前に法務部門や顧問弁護士にチェックしてもらう
  • 特に重要な権利関係は口頭確認だけでなく、メールでの確認も残す
  • 「当然含まれていると思った」という認識違いを防ぐため、具体的なユースケースを伝える

「堅苦しくなりそう…」という懸念もあるかもしれませんが、むしろ契約内容を明確にすることで、お互いに安心してクリエイティブな議論に集中できるんですよ。私の経験では、契約条件の交渉に応じない・曖昧にする会社とは、プロジェクト進行中も問題が発生しやすい傾向があります。

UIUX発注プロジェクトの進行管理と効果的なフィードバック手法

契約も済み、いよいよプロジェクトがスタート!…でも、ここからが実は一番難しいんです。「進捗状況がわからない」「意図が伝わらない」といった問題が頻発します。私も以前は「プロに任せたのだから口出ししない方がいい」と思っていましたが、それが大きな誤解でした。

効果的なプロジェクト管理のためのフレームワーク

フェーズ確認ポイントコミュニケーション頻度
キックオフ・プロジェクト目標の共有
・コミュニケーション方法の確認
・決裁フローの明確化
1回(対面または長時間Web会議)
リサーチ期間・調査方法の妥当性
・インタビュー対象者の選定
・競合分析の範囲
週1回のステータス会議
コンセプト設計・複数のコンセプト案提示
・選定理由の明確な説明
・ビジネス目標との整合性
隔週でレビュー会議
ワイヤーフレーム・主要機能の動線確認
・情報設計の妥当性
・技術的実現可能性
重要画面ごとにレビュー
ビジュアルデザイン・ブランドガイドラインとの整合性
・デバイス間の一貫性
・アクセシビリティへの配慮
週1回のデザインレビュー

「こんなに会議をするの?」と思われるかもしれませんが、コツは「短く、頻繁に」です。私の経験では、1回2時間の会議より、30分の会議を週2回行う方が効果的です。

建設的なフィードバックを出すコツ

最も重要なのがフィードバックの質です。「なんとなく違和感がある」では伝わりません。具体的なフィードバック例を比較してみましょう:

悪い例: “このデザインは好きじゃありません。もっとモダンな感じにしてください。”

良い例: “このボタンの配色が当社ブランドカラーと異なっています。また、カート追加ボタンは画面上部にも配置した方が、ユーザーテストの結果から購入率が上がると考えられます。”

建設的なフィードバックの3原則は:

  1. 具体的な箇所を指摘する
  2. なぜそう思うのか理由を添える
  3. 可能であれば代替案を提示する

ある新規アプリ開発では、チーム内でこのフィードバック原則を共有した結果、修正回数が平均40%減少し、スケジュール通りのローンチを実現できました。

プロトタイプ評価とユーザーテストの実施方法

デザインが形になってきたら、次は「本当にユーザーにとって使いやすいのか」という検証段階です。私がよく見る失敗は、「社内の意見だけで判断してしまう」ケースです。いくら社内でOKを出しても、実際のユーザーが使えないデザインでは意味がありません。

効果的なユーザーテスト実施法

テスト種類適したタイミング参加者数の目安特徴
ゲリラテスト初期プロトタイプ段階3-5人・カフェなどで短時間実施
・基本的な使いやすさの確認
モデレートテスト詳細デザイン段階5-8人・事前に選定した参加者でじっくり検証
・詳細な行動観察と定性評価
リモートテストどの段階でも可15-30人・オンラインツールで広範囲に実施
・定量データ収集に強み
A/Bテストリリース前後数百〜数千人・複数バージョンの比較検証
・実際のコンバージョン改善率を測定

「ユーザーテストって大変そう…」というイメージがあるかもしれませんが、小規模なら半日で実施可能です。先日あるクライアントのECサイトで、社員の家族5人に依頼して簡易テストを実施したところ、「カートに追加」ボタンの位置が分かりづらいという重大な問題が発見できました。

テスト結果の効果的な活用法

テスト結果を効果的にデザイナーに伝えるために、以下のフォーマットが役立ちます:

  1. 発見した問題点:具体的な現象とその深刻度
  2. 影響を受けるユーザー:どのようなユーザーが、どのようなシーンで困るか
  3. 根本原因の推測:なぜその問題が起きていると考えられるか
  4. 改善案の提案:具体的な修正アイデア(複数あれば尚良い)

「でもこれって発注先の仕事では?」と思うかもしれませんが、テスト結果の解釈と方向性の提示は発注側の重要な役割です。最終的なデザイン解決策はプロに委ねつつも、問題の本質を共有することで、より的確な改善が可能になります。

UIUXデザイン納品後の評価と継続的改善プロセス

ついに完成したデザイン。ここで終わり…ではありません!実はここからが本当の勝負です。せっかく良いデザインができても、きちんと評価・改善サイクルを回さなければ、投資対効果を最大化できません。

デザイン効果測定の3つのアプローチ

評価手法測定指標例測定タイミング
定量分析・コンバージョン率
・離脱率
・ページ滞在時間
・クリック率
リリース前後で比較
定性評価・NPS(推奨度)
・SUS(使いやすさ)
・カスタマーサポート問い合わせ内容
リリース1ヶ月後
長期トラッキング・リピート率
・解約率
・顧客生涯価値
3ヶ月、6ヶ月、1年後

私が関わったあるサブスクリプションサービスでは、UIUXリニューアル後に定量・定性両面で評価を実施。すると、新規登録は35%増加したものの、既存ユーザーからは「慣れた使い方ができなくなった」という不満の声が多数寄せられました。この結果を受けて、新旧UIの切り替え機能を追加実装したところ、ユーザー満足度が大幅に改善しました。

継続的な改善のためのフレームワーク

効果的なUIUX改善には、以下のサイクルを確立することをお勧めします:

  1. 観察(Observe): アナリティクスデータやユーザーフィードバックの収集
  2. 分析(Analyze): 課題箇所と改善機会の特定
  3. 仮説(Hypothesize): 改善案の立案と効果予測
  4. テスト(Test): 小規模な改善の実施と効果検証
  5. 実装(Implement): 効果が確認できた改善の本格展開

このサイクルを回すことで、大きなリニューアルを頻繁に行う必要なく、継続的に体験を向上させることができます。

最後に、もしあなたが初めてのUIUX発注を検討されているなら、ぜひ専門家のサポートを検討してみてください。当社では発注支援サービスを提供しており、要件定義からベンダー選定、プロジェクト管理までトータルでサポートしています。まずは無料相談から始めてみませんか?お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。

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