UI/UXデザイン契約書作成ガイド|発注時に押さえるべき7つの重要条項と著作権対策

  • 2025.4.11
  • デザイン

UI/UXデザイン契約書の重要性と基本構成

UI/UXデザインの発注において、適切な契約書の作成はプロジェクトの成功と法的トラブル防止に不可欠です。特に近年、デジタルプロダクトの価値向上においてUI/UXデザインの重要性が高まる中、契約上の認識の違いからトラブルが発生するケースが増加しています。

優れたUI/UXデザインは企業の競争力に直結するため、発注側としては投資に見合った成果物を確保したいという思いがある一方、デザイナー側は創造性と権利を守りたいという意向があります。この両者の利害を適切にバランスさせるのが契約書の役割です。

UI/UXデザイン契約書の基本構成

項目内容
基本情報契約当事者、契約日、プロジェクト名
業務内容制作対象、納品物、業務範囲の定義
期間・納期制作スケジュール、中間成果物の提出日
料金・支払条件報酬額、支払方法、追加費用の取り扱い
著作権条項知的財産権の帰属、利用範囲、二次利用条件
その他条項守秘義務、契約解除条件、瑕疵担保責任

これらの基本構成を踏まえた上で、次章から具体的な重要条項について解説していきます。

UI/UXデザイン契約で押さえるべき7つの重要条項

UI/UXデザイン契約において、発注側が特に注意すべき7つの重要条項を詳しく解説します。これらの条項を適切に設定することで、プロジェクトの円滑な進行と成果物の品質確保が期待できます。

①業務範囲の明確化

  • デザイン対象となる画面・ページ数の明示
  • 納品物のフォーマットと解像度の指定(PSD, Sketch, Figmaなど)
  • ワイヤーフレーム、モックアップ、プロトタイプの区別
  • デザイン修正回数の上限設定(無制限は避ける)
  • レスポンシブ対応の範囲(対応デバイスの明示)

②納期と支払い条件

  • 段階的なマイルストーンと中間納品物の設定
  • 各マイルストーンごとの支払い条件(前払い・中間払い・後払いの割合)
  • 納期遅延時のペナルティと条件
  • 検収期間と検収基準の明確化

③著作権と知的財産権の帰属

  • デザイン成果物の著作権譲渡の範囲
  • 著作者人格権の不行使特約
  • 二次的著作物の作成権と利用権
  • デザイナーのポートフォリオ利用可否

④守秘義務と情報管理

  • 機密情報の定義と対象範囲
  • 守秘義務の期間(契約終了後も含む)
  • 第三者への情報開示条件
  • 情報漏洩時の罰則と損害賠償
  • プロジェクト関連資料の管理方法と返却・廃棄条件

⑤品質基準と検収条件

  • デザインの品質基準の具体的な定義
  • デザインガイドラインや参考資料の明示
  • 検収プロセスと承認フロー
  • 検収期間と修正対応期間の設定
  • 最終承認の判断基準と承認者の明確化

⑥契約解除条件

  • 発注者・受注者双方からのキャンセル条件
  • キャンセル時の費用負担(進捗度合いに応じた清算方法)
  • 中途解約の通知期間
  • 不可抗力による契約解除の扱い
  • 契約解除時の成果物と資料の取り扱い

⑦瑕疵担保責任

  • 納品後の不具合発見時の対応期間(通常6ヶ月〜1年)
  • 無償修正の範囲と有償対応の境界線
  • 重大な欠陥が見つかった場合の対応
  • 責任範囲の制限(損害賠償上限額など)
  • 第三者の権利侵害があった場合の対応

著作権に関する具体的な契約文言例と注意点

UI/UXデザインの著作権は、契約において最も注意すべき点の一つです。以下に、著作権条項における重要な契約文言例と注意点を解説します。

著作権譲渡の文言例

第○条(著作権の譲渡)
1. 受注者は、本契約に基づき制作したデザイン成果物に関する著作権(著作権法第27条および第28条に規定する権利を含む)を、発注者に譲渡するものとする。
2. 受注者は、発注者に対し、成果物に関する著作者人格権を行使しないものとする。

部分的権利譲渡の文言例

第○条(著作権の利用許諾)
1. 受注者は、本契約に基づき制作したデザイン成果物について、発注者に対し、○○サービスにおいてのみ利用する非独占的な利用権を許諾する。
2. 発注者が前項の範囲を超えて成果物を利用する場合は、事前に受注者の書面による承諾を得るものとする。

著作権関連の注意点

譲渡範囲の明確化

全ての権利を譲渡するのか、特定の利用方法に限定するのかを明記

二次利用の条件

ウェブサイトからアプリへの転用など、異なるメディアでの利用条件

派生デザインの権利

将来的なデザイン改変・発展に関する権利関係

クレジット表記

デザイナー名の表示義務の有無

ソースファイルの扱い

デザインのソースファイル(PSD等)の提供条件


契約書作成前に確認すべきチェックリスト

UI/UXデザインの契約書を作成する前に、以下のチェックリストを活用することで、重要な項目の見落としを防ぎ、より完成度の高い契約書を作成できます。

プロジェクト概要の確認

□ プロジェクトの目的と最終ゴールの明確化

□ 対象ユーザーとペルソナの定義

□ 競合サービスとの差別化ポイント

□ 予算と期間の制約

□ プロジェクト関係者と意思決定者

デザイン要件の確認

□ デザイン対象の範囲(画面数、フロー数)

□ デザイン品質の基準と参考事例

□ 既存のデザインガイドラインの有無

□ ブランドイメージとの整合性要件

□ アクセシビリティ要件

制作プロセスの確認

□ ディレクション方法とコミュニケーションツール

□ レビュー・フィードバックの頻度とプロセス

□ 意思決定の承認フロー

□ 進捗管理の方法

□ ユーザーテストの実施有無と方法

権利関係の確認

□ 著作権譲渡の必要性と範囲

□ 使用素材(フォント、アイコン、画像等)のライセンス

□ サードパーティ素材の使用条件

□ ポートフォリオ利用の可否

□ 将来的な拡張利用の可能性


発注側と受注側それぞれの重要ポイント

UI/UXデザイン契約においては、発注側と受注側でそれぞれ重視すべきポイントが異なります。両者の視点を理解することで、より公平で実効性のある契約を結ぶことができます。

発注側(クライアント)が重視すべきポイント

ポイント具体的な対応策
成果物の品質保証検収基準の明確化、品質要件の具体的な記述
権利の確保著作権譲渡範囲の明確化、二次利用権の確保
スケジュール遵守マイルストーンの設定、遅延時のペナルティ条項
予算管理追加費用発生条件の明確化、上限設定
修正対応の保証修正回数・期間の明記、瑕疵担保期間の設定

受注側(デザイナー)が重視すべきポイント

ポイント具体的な対応策
適正な報酬設定作業範囲に応じた料金体系、追加作業の料金規定
創作の自由度制作プロセスの自律性確保、過度な介入の制限
作業範囲の限定業務範囲の明確な境界設定、スコープクリープの防止
ポートフォリオ利用制作物の自己PRへの使用権確保
責任範囲の限定損害賠償上限額の設定、免責事項の明確化

両者の利益バランスを考慮した契約条件を設定することで、プロジェクトの成功確率が高まります。特に初めての取引では、互いの期待値のすり合わせが重要です。

UI/UXデザイン契約書のテンプレートカスタマイズ方法

 

オンラインで入手できる契約書テンプレートを自社のUI/UXデザインプロジェクトに適したものにカスタマイズする方法を解説します。

基本テンプレート選定のポイント

  • プロジェクト規模に合ったテンプレート選び(小規模/中規模/大規模)
  • 業界特性に合わせた専門テンプレートの選択(ECサイト、アプリ、企業サイトなど)
  • 法的要件を満たしているか(最新の法改正対応など)
  • 必要な条項が含まれているか(特に著作権関連)

カスタマイズのステップ

1

プロジェクト固有情報の追加

  • – 具体的な納品物の詳細(画面数、解像度など)
  • – プロジェクト固有のマイルストーン
  • – 特殊な技術要件や対応ブラウザ/デバイス

2

不要条項の削除と必要条項の追加

  • – プロジェクトに関連しない条項の削除
  • – プロジェクト特有のリスクに対応する条項の追加
  • – 業界特有の規制やコンプライアンス要件の反映

3

数値・期間の調整

  • – 納期・支払い条件の現実的な設定
  • – 修正回数の適切な設定
  • – 瑕疵担保期間の調整

4

用語の統一と明確化

  • – 曖昧な表現の具体化
  • – 専門用語の定義追加
  • – 一貫した用語使用の確認

実際にトラブルになった事例とその解決策

UI/UXデザイン契約におけるトラブル事例と解決策を紹介することで、同様の問題を未然に防ぐためのヒントを提供します。

事例1:業務範囲の認識相違

トラブル内容:

クライアントは「ウェブサイトデザイン」の発注で、レスポンシブ対応も含まれると認識していたが、デザイナーは追加料金が必要だと主張した。

解決策:

  • 契約書に「レスポンシブ対応(対象デバイス:スマートフォン、タブレット)を含む」と明記
  • 画面サイズごとの制作対象を列挙(デスクトップ、タブレット縦横、スマホ縦横など)

事例2:著作権の範囲を巡るトラブル

トラブル内容:

ウェブサイト用に制作したUIデザインをクライアントがモバイルアプリにも転用したところ、デザイナーから追加料金を要求された。

解決策:

  • 契約書に「あらゆるメディアでの利用権を含む」と明記
  • または利用範囲を具体的に列挙し、追加利用時の料金体系を事前に合意

事例3:修正回数を巡るトラブル

トラブル内容:

何度も細かい修正要求が出され、デザイナー側が疲弊。追加料金を請求したがクライアントが拒否。

解決策:

  • 修正回数の上限を設定(例:各フェーズ2回まで)
  • 修正の定義を明確化(「軽微な修正」と「大幅な修正」の違い)
  • 追加修正が必要な場合の料金体系を事前に合意

最後に

UI/UXデザインの契約書作成は、単なる形式ではなくプロジェクトの成功を左右する重要なステップです。本記事で紹介した7つの重要条項と著作権対策を参考に、貴社のプロジェクトに最適な契約書を作成してください。

不安な点がある場合は、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。当社では、UI/UXデザイン契約に関する無料相談や契約書テンプレートの提供も行っておりますので、お気軽に資料請求フォームからお問い合わせください。明確な契約があってこそ、創造的で高品質なUI/UXデザインが実現します。


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UI/UXデザイン契約書の重要性と基本構成

UI/UXデザインの発注において、適切な契約書の作成はプロジェクトの成功と法的トラブル防止に不可欠です。特に近年、デジタルプロダクトの価値向上においてUI/UXデザインの重要性が高まる中、契約上の認識の違いからトラブルが発生するケースが増加しています。

優れたUI/UXデザインは企業の競争力に直結するため、発注側としては投資に見合った成果物を確保したいという思いがある一方、デザイナー側は創造性と権利を守りたいという意向があります。この両者の利害を適切にバランスさせるのが契約書の役割です。

UI/UXデザイン契約書の基本構成

項目内容
基本情報契約当事者、契約日、プロジェクト名
業務内容制作対象、納品物、業務範囲の定義
期間・納期制作スケジュール、中間成果物の提出日
料金・支払条件報酬額、支払方法、追加費用の取り扱い
著作権条項知的財産権の帰属、利用範囲、二次利用条件
その他条項守秘義務、契約解除条件、瑕疵担保責任

これらの基本構成を踏まえた上で、次章から具体的な重要条項について解説していきます。

UI/UXデザイン契約で押さえるべき7つの重要条項

UI/UXデザイン契約において、発注側が特に注意すべき7つの重要条項を詳しく解説します。これらの条項を適切に設定することで、プロジェクトの円滑な進行と成果物の品質確保が期待できます。

①業務範囲の明確化

  • デザイン対象となる画面・ページ数の明示
  • 納品物のフォーマットと解像度の指定(PSD, Sketch, Figmaなど)
  • ワイヤーフレーム、モックアップ、プロトタイプの区別
  • デザイン修正回数の上限設定(無制限は避ける)
  • レスポンシブ対応の範囲(対応デバイスの明示)

②納期と支払い条件

  • 段階的なマイルストーンと中間納品物の設定
  • 各マイルストーンごとの支払い条件(前払い・中間払い・後払いの割合)
  • 納期遅延時のペナルティと条件
  • 検収期間と検収基準の明確化

③著作権と知的財産権の帰属

  • デザイン成果物の著作権譲渡の範囲
  • 著作者人格権の不行使特約
  • 二次的著作物の作成権と利用権
  • デザイナーのポートフォリオ利用可否

④守秘義務と情報管理

  • 機密情報の定義と対象範囲
  • 守秘義務の期間(契約終了後も含む)
  • 第三者への情報開示条件
  • 情報漏洩時の罰則と損害賠償
  • プロジェクト関連資料の管理方法と返却・廃棄条件

⑤品質基準と検収条件

  • デザインの品質基準の具体的な定義
  • デザインガイドラインや参考資料の明示
  • 検収プロセスと承認フロー
  • 検収期間と修正対応期間の設定
  • 最終承認の判断基準と承認者の明確化

⑥契約解除条件

  • 発注者・受注者双方からのキャンセル条件
  • キャンセル時の費用負担(進捗度合いに応じた清算方法)
  • 中途解約の通知期間
  • 不可抗力による契約解除の扱い
  • 契約解除時の成果物と資料の取り扱い

⑦瑕疵担保責任

  • 納品後の不具合発見時の対応期間(通常6ヶ月〜1年)
  • 無償修正の範囲と有償対応の境界線
  • 重大な欠陥が見つかった場合の対応
  • 責任範囲の制限(損害賠償上限額など)
  • 第三者の権利侵害があった場合の対応

著作権に関する具体的な契約文言例と注意点

UI/UXデザインの著作権は、契約において最も注意すべき点の一つです。以下に、著作権条項における重要な契約文言例と注意点を解説します。

著作権譲渡の文言例

第○条(著作権の譲渡)
1. 受注者は、本契約に基づき制作したデザイン成果物に関する著作権(著作権法第27条および第28条に規定する権利を含む)を、発注者に譲渡するものとする。
2. 受注者は、発注者に対し、成果物に関する著作者人格権を行使しないものとする。

部分的権利譲渡の文言例

第○条(著作権の利用許諾)
1. 受注者は、本契約に基づき制作したデザイン成果物について、発注者に対し、○○サービスにおいてのみ利用する非独占的な利用権を許諾する。
2. 発注者が前項の範囲を超えて成果物を利用する場合は、事前に受注者の書面による承諾を得るものとする。

著作権関連の注意点

譲渡範囲の明確化

全ての権利を譲渡するのか、特定の利用方法に限定するのかを明記

二次利用の条件

ウェブサイトからアプリへの転用など、異なるメディアでの利用条件

派生デザインの権利

将来的なデザイン改変・発展に関する権利関係

クレジット表記

デザイナー名の表示義務の有無

ソースファイルの扱い

デザインのソースファイル(PSD等)の提供条件


契約書作成前に確認すべきチェックリスト

UI/UXデザインの契約書を作成する前に、以下のチェックリストを活用することで、重要な項目の見落としを防ぎ、より完成度の高い契約書を作成できます。

プロジェクト概要の確認

□ プロジェクトの目的と最終ゴールの明確化

□ 対象ユーザーとペルソナの定義

□ 競合サービスとの差別化ポイント

□ 予算と期間の制約

□ プロジェクト関係者と意思決定者

デザイン要件の確認

□ デザイン対象の範囲(画面数、フロー数)

□ デザイン品質の基準と参考事例

□ 既存のデザインガイドラインの有無

□ ブランドイメージとの整合性要件

□ アクセシビリティ要件

制作プロセスの確認

□ ディレクション方法とコミュニケーションツール

□ レビュー・フィードバックの頻度とプロセス

□ 意思決定の承認フロー

□ 進捗管理の方法

□ ユーザーテストの実施有無と方法

権利関係の確認

□ 著作権譲渡の必要性と範囲

□ 使用素材(フォント、アイコン、画像等)のライセンス

□ サードパーティ素材の使用条件

□ ポートフォリオ利用の可否

□ 将来的な拡張利用の可能性


発注側と受注側それぞれの重要ポイント

UI/UXデザイン契約においては、発注側と受注側でそれぞれ重視すべきポイントが異なります。両者の視点を理解することで、より公平で実効性のある契約を結ぶことができます。

発注側(クライアント)が重視すべきポイント

ポイント具体的な対応策
成果物の品質保証検収基準の明確化、品質要件の具体的な記述
権利の確保著作権譲渡範囲の明確化、二次利用権の確保
スケジュール遵守マイルストーンの設定、遅延時のペナルティ条項
予算管理追加費用発生条件の明確化、上限設定
修正対応の保証修正回数・期間の明記、瑕疵担保期間の設定

受注側(デザイナー)が重視すべきポイント

ポイント具体的な対応策
適正な報酬設定作業範囲に応じた料金体系、追加作業の料金規定
創作の自由度制作プロセスの自律性確保、過度な介入の制限
作業範囲の限定業務範囲の明確な境界設定、スコープクリープの防止
ポートフォリオ利用制作物の自己PRへの使用権確保
責任範囲の限定損害賠償上限額の設定、免責事項の明確化

両者の利益バランスを考慮した契約条件を設定することで、プロジェクトの成功確率が高まります。特に初めての取引では、互いの期待値のすり合わせが重要です。

UI/UXデザイン契約書のテンプレートカスタマイズ方法

 

オンラインで入手できる契約書テンプレートを自社のUI/UXデザインプロジェクトに適したものにカスタマイズする方法を解説します。

基本テンプレート選定のポイント

  • プロジェクト規模に合ったテンプレート選び(小規模/中規模/大規模)
  • 業界特性に合わせた専門テンプレートの選択(ECサイト、アプリ、企業サイトなど)
  • 法的要件を満たしているか(最新の法改正対応など)
  • 必要な条項が含まれているか(特に著作権関連)

カスタマイズのステップ

1

プロジェクト固有情報の追加

  • – 具体的な納品物の詳細(画面数、解像度など)
  • – プロジェクト固有のマイルストーン
  • – 特殊な技術要件や対応ブラウザ/デバイス

2

不要条項の削除と必要条項の追加

  • – プロジェクトに関連しない条項の削除
  • – プロジェクト特有のリスクに対応する条項の追加
  • – 業界特有の規制やコンプライアンス要件の反映

3

数値・期間の調整

  • – 納期・支払い条件の現実的な設定
  • – 修正回数の適切な設定
  • – 瑕疵担保期間の調整

4

用語の統一と明確化

  • – 曖昧な表現の具体化
  • – 専門用語の定義追加
  • – 一貫した用語使用の確認

実際にトラブルになった事例とその解決策

UI/UXデザイン契約におけるトラブル事例と解決策を紹介することで、同様の問題を未然に防ぐためのヒントを提供します。

事例1:業務範囲の認識相違

トラブル内容:

クライアントは「ウェブサイトデザイン」の発注で、レスポンシブ対応も含まれると認識していたが、デザイナーは追加料金が必要だと主張した。

解決策:

  • 契約書に「レスポンシブ対応(対象デバイス:スマートフォン、タブレット)を含む」と明記
  • 画面サイズごとの制作対象を列挙(デスクトップ、タブレット縦横、スマホ縦横など)

事例2:著作権の範囲を巡るトラブル

トラブル内容:

ウェブサイト用に制作したUIデザインをクライアントがモバイルアプリにも転用したところ、デザイナーから追加料金を要求された。

解決策:

  • 契約書に「あらゆるメディアでの利用権を含む」と明記
  • または利用範囲を具体的に列挙し、追加利用時の料金体系を事前に合意

事例3:修正回数を巡るトラブル

トラブル内容:

何度も細かい修正要求が出され、デザイナー側が疲弊。追加料金を請求したがクライアントが拒否。

解決策:

  • 修正回数の上限を設定(例:各フェーズ2回まで)
  • 修正の定義を明確化(「軽微な修正」と「大幅な修正」の違い)
  • 追加修正が必要な場合の料金体系を事前に合意

最後に

UI/UXデザインの契約書作成は、単なる形式ではなくプロジェクトの成功を左右する重要なステップです。本記事で紹介した7つの重要条項と著作権対策を参考に、貴社のプロジェクトに最適な契約書を作成してください。

不安な点がある場合は、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。当社では、UI/UXデザイン契約に関する無料相談や契約書テンプレートの提供も行っておりますので、お気軽に資料請求フォームからお問い合わせください。明確な契約があってこそ、創造的で高品質なUI/UXデザインが実現します。


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